配当利回りランキング2021年12月~長期投資向きの割安好評価株を選定!
トウシル / 2021年12月3日 6時0分
配当利回りランキング2021年12月~長期投資向きの割安好評価株を選定!
アナリスト評価◎の割安高配当株TOP15
※コンセンサスレーティング…アナリストによる5段階投資判断(5:強気、4:やや強気、3:中立、2:やや弱気、1:弱気)の平均スコア。数字が大きいほどアナリストの評価が高い。
※移動平均線乖離(かいり)率…株価が移動平均線(一定期間の終値の平均値を結んだグラフ)からどれだけ離れているかを表した指標。この数値がマイナスならば、移動平均線よりも現在の株価が安いということになる。
上表は、長期投資に適した銘柄の高配当利回りランキングと位置付けられます。
11月30日時点での高配当利回り銘柄において、一定の規模(時価総額1,000億円以上)、ファンダメンタルズ(コンセンサスレーティング3.5以上)、テクニカル(13週移動平均線からの乖離率20%以下)などを楽天証券の「スーパースクリーナー」を使ってスクリーニングしたものとなっています。
配当利回りはアナリストコンセンサスを用いています。
ランク外となった銘柄、新規にランクインした銘柄
11月の日経平均株価は前月末比で3.7%の下落となりました。10月31日投開票の衆院選で自民党が絶対安定多数を単独で確保したことが安心感につながり、月初から大きく上昇して始まりました。
米国株高なども支援となり、16日には3万円に急接近する場面もありました。ただ、月後半にかけては、米国金融引き締めペースの加速化懸念、新型コロナウイルス変異株「オミクロン」の確認などが売り材料視され、急速に伸び悩む展開となっています。
こうしたなか、ランキング上位銘柄は総じて売り優勢の展開になり、上昇したのは西松建設(1820)、ソフトバンク(9434)の2銘柄のみでした。最も下落率が大きかったのがJFEHD(5411)で、11月5日に決算を発表しましたが、下半期の収益鈍化見通しがマイナス視されました。
ミクシィ(2121)も、通期予想の大幅な下方修正がネガティブサプライズとなって大きく下落しました。日本郵船(9101)は増配幅が想定よりも限定的にとどまったことが嫌気されました。
また、日鉄物産(9810)、双日(2768)などは業績上方修正を発表しましたが、その後は出尽くし感が優勢となっています。
今回、ランキング銘柄に大きな変化はありませんでした。HUグループ(4544)がランク外となった一方、株価が大きく下落したふくおかFG(8354)が新規にランクインしています。
ランキング内の変動では、株価の下落率が大きかった日鉄物産(9810)、ミクシィ(2121)、双日(2768)などのランクが上昇する形になっています。全般的にランキング内銘柄の配当利回りは上昇しており、すべての銘柄が配当利回り5%以上となっています。
ランキング銘柄と相場の注目点
日本郵船(9101)は年間配当金計画を700円から800円に引き上げると発表しています。連結配当性向25%程度を目安としていることで、さらなる増配の可能性は残りますが、その場合でも、発表されるのは2022年3月期の決算発表日となるもようです。
その場合、同時に発表される2023年3月期の配当金は減配となる可能性が高く、増配による利回り水準の一段の上昇を期待する局面は終了と考えます。ちなみに、会社側計画をベースとした配当利回りは10.81%となります。
商船三井(9104)に関しては、依然としてコンセンサスの修正がなされておらず、実質的には会社側の配当計画をベースにした12.31%が現状の配当利回り水準であるといえます。
JFEHD(5411)や日本製鉄(5401)は今回の決算でも年間配当計画は未定としています。
仮に、上半期と下半期の配当が同水準と仮定すれば、JFEHDの配当利回りは9.12%、日本製鉄は8.24%と試算されます。
ほか、会社予想とコンセンサスで大きな乖離が見られるのはミクシィ(2121)です。会社計画110円をベースとした配当利回りは5.44%となります。
コンセンサスは127円程度の配当を前提としていますが、業績下方修正を行っている経緯からすると、実質的な配当利回りは会社計画水準が妥当でしょう。
ここにきて、FOMC(米連邦公開市場委員会)のタカ派姿勢が強まってきている印象を受けます。2022年中の3度の利上げを織り込めば、米長期金利には上昇余地が大きくなるでしょう。
新型コロナ変異株への懸念が後退するに伴い、米長期金利上昇によるグロースからバリューへの資金シフトが強まる可能性もあるとみられます。ランキング銘柄のように、前月に大きく下落したバリュー株は押し目買いの好機とも捉えられるところです。
また、以前と比較してランキング銘柄が減少している銀行株なども、米長期金利の上昇場面では株価上昇のリード役としての存在感を強めてくる可能性もあります。
(佐藤 勝己)
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