不動産業界の「経験と勘」ビジネスが終わる日 国交省も本気!「データ集約」で激変する未来

東洋経済オンライン / 2017年5月22日 10時0分

不動産の価格査定は、非常に大ざっぱであるのが現状だ(撮影:今井康一)

「不動産の価格査定とは、こんなにテキトーでいい加減なものなのか!」

初めてこの業界に足を踏み入れたときに受けた衝撃は、今でも鮮明に覚えている。

■査定担当者の経験と勘で決定していた価格

不動産取引というものは、瞬時に、しかも反復して大量の売買が行われる株式取引などとは異なり、一つひとつ個別の相対取引だ。それゆえ、取引価格の妥当性には、どこまでいってもあいまいさがつきまという。また、不動産価格査定の手法は、その価格の決め方も「土地がだいたいいくら」「建物は10年でおよそ半値」「25年程度でほぼゼロ」といったもので、最終的には査定担当者の経験と勘で査定価格を決定する。非常に大ざっぱな査定方法であるのが現状だ。

こうした実情を改善し、不動産価格を限りなく透明化させるため、国は現在「不動産総合データベース」の整備を進めている。

不動産情報といえば、たとえば、不動産業者間物件情報交換ネットワークシステムの「レインズ」(REINS / Real Estate Infomation Network)があるが、実はこの中に織り込まれている情報は、不動産広告の物件概要に掲載されている程度のものにすぎない。

また、国土交通省では、実際に取引された不動産の価格情報を、「不動産取引価格情報土地総合情報システム」というウェブサイトで公開してはいるものの、その情報の出所は、アンケートで価格情報公開に了承したケースのみであり、数量としてまったく不十分だ。そこで今、国土交通省が不動産にまつわるありとあらゆる情報を集約したデータベースの整備に動き出している。

不動産にかかわる情報は現在、多方面に散逸している。都市計画情報は市区町村役場、上下水道などインフラ情報は水道局や下水道局、登記情報は法務局といった具合だ。こうしたものを一元化し、さらに物件の過去の取引履歴、成約価格、住宅履歴情報、マンション管理情報、周辺のインフラの整備状況や公共施設の立地状況、周辺不動産取引価格情報など、物件そのものの情報に加えて周辺エリア情報、さらには災害や浸水可能性などのネガティブ情報や小中学校などの学区情報に至るまでが、このデータベースの中に詰め込まれる予定だ。

実はこの新たな不動産総合データベースは、試作品は日本ユニシスの協力を得てすでにプロトタイプが完成しており、現在、横浜市・静岡市・大阪市・福岡市などで試行運用中で、早ければ2018年度には全国に順次拡大される見込みだ。

■データベースの本格運用で何が起こる?

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