トヨタが負けを認めた「ダイハツ流」の底力 奥平新社長が語るコンパクトカーの技術革新

東洋経済オンライン / 2017年6月15日 10時0分

この6月に経営体制が大きく変わったダイハツ工業。5月に発売した軽自動車「ミライース」の新型は販売好調だ(撮影:梅谷秀司)

「ダイハツらしさを進化させ、世界になくてはならないブランドへと成長させる。それがトヨタグループ全体の力を押し上げることにつながる」

6月8日、トヨタ自動車とダイハツ工業による親と子の”二人三脚”体制が本格始動した。この日ダイハツの新社長には、親会社・トヨタの奥平総一郎・前専務役員が就任。東洋経済などのインタビューに応じた奥平氏は、成長に向けた強い決意を示した。

■4年ぶりにトヨタ出身社長へ回帰

2013年に21年ぶりの生え抜き社長に就いた三井正則氏は今回、代表権のある会長に退く。その一方で再びトヨタがトップを送り込んだ。トヨタはダイハツとの関係を再び強化することで、市場が拡大する小型車の開発でダイハツの力を借りていく。一方、ダイハツもトヨタとの協業でグローバル化に舵を切る狙いだ。

ダイハツは2016年8月にトヨタの完全子会社となり、2017年1月にはトヨタと共同で社内カンパニー「新興国小型車カンパニー」を設立。ダイハツが軽自動車で培った、コスト競争力の高い小型車をつくるノウハウを生かし、トヨタが苦手としてきた新興国の小型車戦略を担う。

そんな中社長として送り込まれた奥平氏は、トヨタに入社して以来開発畑が長く、トヨタの主力車「カローラ」のチーフエンジニアなどを歴任。直近では中国の研究開発センターの代表とともに、東南アジアで技術責任者を務めた。「新興国での車づくりをやってきたし、市場も見て回った。生かせる部分はあると思う。自分はいいチャンスをもらった」。奥平氏はそう抱負を話す。

ダイハツは現在、日本、インドネシア、マレーシアの3カ国のみで事業を展開している。トヨタへの供給も合わせて、ダイハツが開発する車の世界生産台数は、現在年間150万台規模。今年3月発表の中長期経営シナリオでは、2025年に250万台に増やす計画を示した。

「250万台までの道のりは長いが、販売国をマレーシアやインドネシア以外にも広げていく。トヨタが持っている工場や販売網も活用し、東南アジアでダイハツがかかわるところを増やしていく」(奥平氏)

ダイハツがトヨタの新興国向け小型車を引っ張っていくのはなぜか。その理由について奥平氏は、「ダイハツがトヨタから認められたのは、軽自動車の経験に立脚した『良品廉価』な小型車づくりだと思う。特に新興国でダイハツの果たせる役割は大きい」とする。

■トヨタ幹部が”負け”を認めた

トヨタでコンパクトカーカンパニーを率いる宮内一公専務役員も「(ダイハツから)謙虚に学んだ」という。同カンパニーは「アクア」や「ヴィッツ」、「シエンタ」といった主力小型車の開発・生産を担っている。

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