本当の北朝鮮リスクは米国が本気を出すこと 米国がトランプ大統領でまだ良かったかも?

東洋経済オンライン / 2017年8月19日 8時0分

バージニア州での衝突をめぐってのコメントで窮地に立っているトランプ大統領。「対北朝鮮」のことを考えると、日本は普通の大統領よりもこの人でまだ良かったと言える?!(写真:UPI/アフロ)

8月14日に内閣府が発表した4-6月期GDP1次速報は、年率4.0%成長という堂々たる結果であった。これで日本経済は6四半期連続のプラス成長となり、中身的にも個人消費良し、設備投資良し、輸出だけがイマイチの「内需主導型成長」であった。

■軍事的脅威にさらされる日本の円が「買い」なワケ

足元の名目GDPは545兆3522億円となった。「日本のGDPは約500兆円」と覚えている人が少なくないと思うが、すでに550兆円近くになっている点にご注意願いたい。

こんな実体経済の良いニュースにもかかわらず、マーケットの方は冴えない状態が続いている。日経平均株価は2万円割れ、為替も1ドル=110円割れの円高方向だ。その理由の一つが地政学リスク。ご案内の通り、米朝間で緊張が高まっているからだ。

米国のドナルド・トランプ大統領は、「北朝鮮は見たことがないような炎と憤激(Fire and Fury)に直面するだろう」とか、「軍事的解決に向けて準備は万端(Locked and Loaded)なり」などとキレッキレの恫喝を繰り返す。北朝鮮側は、「それならばグアム島周辺に弾道ミサイル4発を撃ち込む」とやり返す。あまりにも粗野かつ野蛮な言葉の応酬だが、少なくとも冗談には聞こえない。かくして「有事の円買い」が起きているわけだ。

ところでこの理屈、多くの日本人にとっては異和感ありまくりであろう。北朝鮮がグアム島に向けてミサイルを発射すると、それは島根県、広島県、愛媛県、高知県の上空を飛ぶことになる。

そこで慌ててPAC3を当該4県に配備して、途中でミサイルが落ちてきたときの準備をしている。もちろん外れたときはゴメンナサイだが、政府としては「皆様の税金はこのように使われております!」というところを見せねばならない。普通だったら、こんな風に軍事的脅威にさらされている国の通貨は「売り」であろう。

ところが為替の世界では、有事になると円が買われる。なぜなら、「日本は巨額の対外資産を有している。国内で何か重大事件があれば、それを売ってくるだろう。すなわち外貨売り、円買いになる」という連想が働くからだ。2016年末時点のわが国の純資産合計は349兆円 。世界最大の債権国である。海外の投資家たちは「日本はそのカネ、どうするつもりなの?」と冷ややかに見ているということだ。

思えばあの東日本大震災の時も、国土が津波と原子力災害に見舞われたというのに、為替は1ドル=80円前後の超円高局面だった。貿易収支も赤字に転じて、まさに「泣きっ面に蜂」であった。この国が有事に強いとはとても思えないのだが、「国難のときには漏れなく円高もついてくる」というのが悩ましいところである。

東洋経済オンライン

トピックスRSS

ランキング