定年後も稼げる人と稼げない人の決定的な差 「生涯現役」で働くなら50代の過ごし方が肝だ

東洋経済オンライン / 2017年9月25日 8時0分

50代を「リタイア準備の期間」にするか「生涯現役の始動期間にするか。そこで明暗が分かれるかもしれません(写真:Getty Images/ラテアート:門川 洋子)

大手広告代理店の関西支社に勤める浜田健児さん(仮名)は今年50歳。「最近、猛烈に焦りを感じている」という。「現場での自分の力量が40代をピークに落ちていっていると感じている。体力の衰えと同時に、以前なら一晩で仕上げられたことが終わらなくなっている。経験とコツと、人脈をフル活用してカバーしている」(浜田さん)。

不安の背景はそれだけではない。かつて東京に次ぐ2次経済圏だった関西だが、地元企業の東京への本社移転で地盤沈下が著しく、広告の仕事もじわじわ減っている。出世を続けるためには東京転勤が必須となる。だが、せっかく関西で築いた人脈も大事にしたい。

「定年後は地元の自治体や企業と協力して、日本観光の魅力を世界にアピールするような仕事がしたい」。そう考える浜田さんは、関西の人脈を頼って独立する道も探り始めている。ただ、今より収入が減ることを家族が認めるとは思えず、悩みは尽きない。

週刊東洋経済は9月25日発売号(9月30日号)で『50歳から考える定年後の仕事選び』を特集。従来の「リタイア準備」から「生涯現役への始動」へと50代に発想転換する、人や企業の動きを紹介している。

■60歳以上で働く男性は20%

50代が不安に思う定年後の生活。実際、シニアはどのように過ごしているのか。週刊東洋経済はNTTコムリサーチの協力を得てアンケート調査を実施、60代以上の男性約600人の回答が寄せられた。

「定年を迎えたが現在も働いている」と答えたのは、60歳以上の20.7%。定年後も働き続ける理由は、「年金では足りない」「現在の生活水準を保つためには必須」など金銭面の必然性を挙げた人が5割を超えた。働き方としては、定年前と「同じ会社」「フルタイム」勤務がともに6割弱、ただし給与水準は8割以上が「下がった」と回答している。

日本で働く60歳以上の高齢者は2016年現在、1286万人に達している。2013年4月の改正高年齢者雇用安定法の施行で、企業は希望するすべての従業員に対し65歳までの雇用を確保するため、定年後再雇用、定年引き上げ、定年廃止のいずれかの措置を取らなければならなくなった。国はさらに定年の65歳以上への引き上げや定年廃止、希望者全員を66歳以上まで継続雇用する企業への補助金支給などで、「生涯現役社会」を強力に推進しようとしている。

これに対して多くの企業は慎重なスタンスを崩さない。厚生労働省の調査によれば、大企業(従業員301人以上)で定年延長や定年廃止に踏み切ったのは全体の1割に満たない。9割超が給与引き下げなど大幅な処遇見直しが可能な、定年後再雇用制度で対応している。

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