年金13万円、生活苦に悩む高齢者たちの実情 生活保護を受けることすらできない

東洋経済オンライン / 2017年12月29日 8時0分

年金カットと国保の負担増で悲鳴を上げている高齢者がいる(撮影:尾形文繁)

2015年9月、厚生労働省は納めた年金保険料に対し給付額がいくらになるかを世代ごとに試算した結果を発表。それにより若年世代は現在受給している世代と比べ、大幅な減額を余儀なくされるという、「世代間格差」が存在することが判明した。

将来に悲観的にならざるをえない若年層に対し、現在年金を受給している人たちはある意味「勝ち組」ともいえるかもしれない。

しかし、現実には生活保護で支給される額よりも少ない年金を頼りに、ギリギリの生活を送る日本の高齢者たちの姿があった。「こんな状況で介護が必要になったら、生活が成り立たなくなる」そんな恐怖におびえながら日々を過ごす人々の実態を追う。

■年金が足りない高齢者の悲鳴

ある都営住宅の一室。一人暮らしの高齢者5人が集い、こたつを囲んでお茶をすすっていた。今日の天気からはじまり、孫のこと、病気のこと、話題は尽きない。ニュースで取り上げられている「年金」について1人が切り出した。

「これ以上年金を減らされたら、私たちの生活はどうなっちゃうの?」

「テレビや新聞で年金の話題が取り上げられても、内容が難しくてさっぱりわからないよ」

ただ、1つだけ理解している点は、受け取る年金は将来にわたって減らされるということ。長生きすればするほど、生活が苦しくなる。笑い飛ばしていても、目つきは真剣だ。

「消費税が上がってから、何を買っても高くつくので、食べ物や生活必需品以外は本当に買わなくなりましたね。洋服も以前は、お店の前を通ったら『あら、これいいわね』と、毎シーズン1つは新しいものを買っていましたが、新調しないでなるべく着まわししなくては。外出しても何も買わないでまっすぐ家に帰るようにしています」

日本年金機構から毎年送られてくる「ハガキ」を片手に深いため息をつくのは、都営住宅に住むフサエさん(仮名、77歳)。定年退職後、年金をもらいながら趣味を謳歌する……そんな悠々自適な生活を思い浮かべながら、現役時代は必死に働き続けた。ところが、いざ年金を受け取ってみると、あまりの少なさにショックを受けた。

夫が15年前に他界してからは一人暮らし。嫁いだ2人の娘たちが時折、フサエさんの様子をうかがいに訪ねてくる。定年まで企業の食堂などで働いたので、夫の扶養には入らず厚生年金に加入していた。現在、月に受け取る年金額は厚生年金と国民年金などを合わせて約13万円。「長年働いた割には少ない」というのが実感だった。女性は男性よりも賃金が低いため、支払う年金保険料が少ないからだ。

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