トヨタ「ルーミー/タンク」が大健闘する理由 ハイブリッド車がないのに月販1万台超

東洋経済オンライン / 2018年3月20日 8時0分

実質的に昨年、トヨタで最も売れたコンパクトカーといえる「ルーミー」と「タンク」(撮影:尾形文繁)

トヨタ自動車が「ルーミー」「タンク」の車名で2016年11月から販売しているコンパクトカー兄弟が、意外なヒットを見せている。

2017年の軽自動車を除く乗用車ブランド通称名別販売ランキングは、11位(ルーミー)と14位(タンク)でそれぞれ個別にはさほど上位ではない。ただ、2車種を合計すると約14万9500台と、3位「アクア」(約13万1600台)、7位「シエンタ」(約9万6800台)、8位「ヴィッツ」(約9万台)を上回る。もちろん新車効果は加味しなければならないものの、実質的に昨年、トヨタで最も売れたコンパクトカーといえるのだ。

■ハイブリッド仕様の設定がないにもかかわらず

興味深いことにルーミー/タンクとも、トヨタのお家芸であり売れ筋にもなっているハイブリッド車の設定がない。パワートレーンはターボ(過給器付き)と自然吸気による2種類の排気量1000ccガソリンエンジンのみ。ちなみにアクアはハイブリッド車専用モデルだし、シエンタ、ヴィッツにもハイブリッド車がある。ルーミー/タンクは燃費だけでなく環境に優しかったり、先進性を感じたりというイメージを持つハイブリッド車を武器にしていないのにもかかわらず、大健闘している。

ルーミー/タンクはレクサスを除くトヨタ4系列(トヨタ店、トヨペット店、ネッツ店、カローラ店)の販売店すべてで取り扱い、最廉価版の車両本体価格は146万円台からの設定だ。トヨタ子会社のダイハツ工業が生産を担当。トヨタにとってはOEM(相手先ブランドによる生産)調達しているクルマだ。ちなみにダイハツは「トール」の車名で自社販売し、SUBARUにもOEM供給している(SUBARU名は「ジャスティ」)。

全長3700~3725mm、全幅1670mmのコンパクトなサイズながら全高が1735mmと背高で角張ったスタイルに加え、後席に電動の両側スライドドアを備えるのが、ルーミー/タンクの大きな特徴。大人5人がちゃんと乗れる室内空間を持ち、多彩なシートアレンジも可能だ。トヨタがかつて販売していた「bB」「ラクティス」といった背高コンパクトカーの後継モデルと見る向きもある。

発売当初、トヨタはルーミー/タンクの月間販売目標を計7500台としていたが、2017年は月間平均で約1万2400台を売った。これはトヨタの事前想定を大きく上回ったに違いない。

ルーミー/タンクの登場前後に自動車販売の現場で話題になったのが、「トヨタがスズキ『ソリオ』を潰しにきた」という話だ。もともと軽自動車「ワゴンR」の登録車バージョン「ワゴンRワイド」を源流とするソリオは、現行4代目が2015年8月にデビュー。ルーミー/タンクと近い全長3710mm×全幅1625mmというコンパクトな車体ながら、全高1745mmという背高なスタイルでこれも電動の両側スライドドアを備える。車両本体は145万円台からの設定で価格帯もルーミー/タンクとバッティングする。

■経済性と実用性に優れたコンパクトカーという鉱脈

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