「イライラと不安」を増幅させる食生活の正体 5月病を引き起こす、「鉄欠乏」と「糖質過多」

東洋経済オンライン / 2018年4月21日 13時0分

心の危機を回避するには食生活がカギとなります(写真:Ushico / PIXTA)

新年度が始まって3週間。進学、就職、転職、転勤……新たなスタートにまだまだ慣れない人も多いだろう。変化の時期は「心の危機」の時期でもあります。特に大きく環境が変わったり、一人暮らしが始まったり、という人は注意が必要だ。

精神科医の奥平智之氏が近著『マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ』から心の危機を回避する食生活を解説する。

■「鉄」欠乏が引き起こす不調

「食生活の乱れ」というと、朝食を抜くことや、インスタント食品に偏るなどのイメージを持つかもしれない。それももちろん問題だが、朝はトーストとコーヒー、昼はおにぎりとスープ、夜はパスタとワインといった、一見普通に見える食事でも危険だ。

心の危機を招く原因に、心や体を健全に働かせる栄養素の不足がある。パンやパスタ、ごはんなどの糖質中心の食事になると、肉や魚の動物性タンパク質や、野菜などが不足しがちになり、そこに含まれる栄養素も摂取できなくなる。

特に注目したいのは、鉄だ。鉄は赤身の肉や魚に豊富に含まれている。不安やうつをやわらげるセロトニンや、ときめきを感じさせるドーパミンなどの脳内の神経伝達物質は、作る過程で鉄が必須となっている。

また、鉄が欠乏すると、全身の細胞のエネルギー産生工場であるミトコンドリアの機能も低下する。神経をはじめさまざまな細胞や臓器の機能低下につながるため、鉄欠乏の症状は多岐にわたる。イライラ、憂うつ、不安、疲れやすい、冷え、頭痛、髪が抜けやすい、アザができやすい、眠りが浅い、爪が平坦で割れやすいといった症状があらわれる。

タンパク質やビタミンB群、亜鉛、マグネシウムなどの栄養素も心や体に重要な栄養素だが、過労や寝不足などのストレスがかかるとより多くの量が必要となる。また、ストレス状態が続くと、体内に慢性の炎症が起こりやすくなる。「炎症体質」になると鉄の吸収や利用が低下し、鉄欠乏の状態となる。

■甘くなくても糖質過多は炎症体質・ストレスの原因に

糖質過多も体にとってはストレスで、炎症体質につながる。糖質過多に伴う腸内環境の悪化や脂肪肝、肥満、そしてタンパク質の糖化などが炎症の原因になるからだ。

一見フツーに見える食事の多くは、実は、糖質過多。糖質とは、炭水化物から食物繊維をのぞいたものを言うが、白いごはんやパン、パスタには、甘くなくてもたくさん糖質が含まれている。

ストレス状態になると、副腎(腎臓の上にある臓器)からストレスに対抗するためのホルモン「コルチゾール」が分泌される。この状態が長く続くと、副腎がオーバーワークとなって次第に疲弊し、コルチゾールが分泌されにくくなる。そして「朝起きるのがつらい、疲れやすい」などの症状が出て仕事のパフォーマンスが下がる。

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