男性の育休取得を阻み続けている「3つの壁」 意識の壁、雰囲気の壁、そしてもう1つは…

東洋経済オンライン / 2018年5月17日 7時30分

子持ち男性の約半数は、育休の取得を諦めているという(写真:xiangtao/PIXTA)

少子化が止まらない。

5月4日に発表された総務省の推計によると、14歳以下の人口は前年比17万人減の1553万人となり、過去最低を更新した。

少子化は数十年前から始まっているが、この間まともに対策がとられてこなかった。政府は少子化をほったらかしにしてきたといっても過言ではない。

少子化対策には、子供を持つ機会に恵まれるように制度を変更したり、新たに法律を整備したりする必要がある。

その際、育児休業の制度をうまく運用すれば男性の育休取得と意識改革が進み、少しは現状を改善できるのではないか。筆者はそう踏んでいる。

■経済的な理由が「夫婦の理想」を妨げている

少子化に歯止めがかからない大きな要因に経済的な理由がある。

国立社会保障・人口問題研究所の調査(2015年)で、夫婦に理想的な子供の数を聞いたところ、平均2.32人だったのに対し、予定している子供の数は平均2.01人だった。他方、夫婦に理想とする子供数を持たない理由を複数回答で聞いたところ、妻の年齢が30歳未満だと76.5%、30~34歳だと81.2%が「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」と回答した。

このほか、雇用や所得が不安定であることから、そもそも結婚や出産を選択肢として考えられない若者も増えているとされている。

さらに、子供を持つことは苦労ばかりで、利点を感じられないことなどを理由に、理想とする子供数を持たない夫婦も一定数いる。前出の調査では、「これ以上、育児の心理的、肉体的負担に耐えられないから」と回答した人が17.6%、「夫の家事・育児への協力が得られないから」と回答した人も10.0%いた。

その一方で、厚生労働省の第12回21世紀成年者縦断調査(2015年)によると、子供がいる夫婦は、夫の休日の家事・育児時間が長くなれば長くなるほど、第2子以降の生まれる割合が高くなる傾向があるという。言い換えれば、夫が家事・育児に関わると第2子以降が生まれやすくなる。

ここで育休制度の出番である。男性が育休を取得して家事・育児に関わる時間が長くなれば、現状を少しでも改善へと導けると仮説できる。

だが、現状は寂しい限りである。

2016年度雇用均等基本調査によると、男性の育休取得率は3.16%となり、2015年度の同調査では育休を取得した男性の半数以上が5日間未満だったことも分かった。5日間未満となると、本人が本気で育児と向き合う期間としては短く、「ワンオペ育児」や健診、病気、予防接種などの経験を積めないだろう。

東洋経済オンライン

トピックスRSS

ランキング