SUV人気のマツダが新型アテンザに託す使命 旗艦セダン、国内月販目標は「控えめな」500台

東洋経済オンライン / 2018年6月23日 8時0分

マツダの旗艦セダンの新型「アテンザ」。大幅に改良して6月21日に国内で発売した(撮影:尾形文繁)

世界の自動車市場をSUV(スポーツ用多目的車)が席巻する中、セダンの存在意義はどこにあるのだろうか。

マツダは大幅改良を加えたフラグシップセダンの新型「アテンザ」を6月21日に発売した。内外装のデザインを一新し、ガソリン・ディーゼルエンジンもグレードアップした。安全運転支援システム「i-ACTIVSENSE」の機能を向上させ、従来30~100km/hだった先行車追従は全車速で可能になった。

価格はベースグレードのガソリン車が282万9600円、革内装の最上グレードのディーゼル車(Lパッケージ)が419万0400円。セダンとワゴンの2種類を同じ価格で展開する。

■滑り出しは順調だが

5月からの予約受注台数は6月17日時点で約1600台と、月間販売台数目標の500台を大幅に上回り、順調な滑り出しに見える。年初から山口県の防府第2工場で生産が始まった新型アテンザ(海外名:Mazda6)は、主戦場の米国で5月に発売。同月だけで約4400台を販売した。今回の大幅改良を機に、前年同月比で64%増という勢いを見せた。

だが、世界的なSUVブームのあおりを受け、セダンは冬の時代にある。マツダにとって最重要市場の米国では、セダン需要は年々縮小。今や新車販売の6割以上はSUVやピックアップトラックなどの大型車だ。米国におけるMazda6の2017年の販売台数は約3万3000台と、この10年のピークである2015年の約5万8000台に比べ4割以上も減った。

国内の市場環境も厳しい。トヨタ自動車が2017年7月に発売した上級セダン「カムリ」のうたい文句は「セダン復権!」だ。今年3月までは月間販売目標の2400台を達成したが、4月と5月は半分の水準まで落ち込んでいる。競合車種のこうした状況にマツダも、新型アテンザの国内目標販売台数を月間500台と慎重に設定した。旧型アテンザの月間販売台数が350~400台であることを踏まえても控えめだ。

CX系を強化しているマツダにとってセダンの位置づけは難しくなっている。生産・販売台数に占めるCX系の比率は2015年度には34%だったが、2018年度には50%を計画する。基幹車種「CX-5」は、2017年度に世界で44万5000台を販売し、車種別で初の首位に躍り出た。マツダ車では「アクセラ」の首位が長らく不動だったが、CX-5が3000台上回った。

「マツダはSUVに振っているように見えるかもしれないが、マツダにとってセダンは走りを表現するうえで非常に重要。その走行性能を、SUVに展開していく」。小飼雅道社長はセダンの走りへの思い入れを語る。実際、構造的に車高が低いセダンは、走りが安定するとされている。

■新型エンジン搭載ではCX系の後塵を拝する

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