「母の孤独死」42歳男に突如訪れた壮絶な現場 増加する単身世帯、誰の身にも起こりうる

東洋経済オンライン / 2018年12月10日 7時30分

残された遺族にとっても悲惨な出来事だ(写真:baona/iStock)

誰にも看取られることなく、ひとり、部屋で亡くなる孤独死――。

ニッセイ基礎研究所によると、現在その数は年間約3万人と言われている。 そして、同研究所はこの数は、今後さらに増えるだろうと予測している。生涯未婚率の増加などによって、単身世帯は年々増加の一途をたどっているからだ

家族に孤独死が起こってしまったら、具体的にどのような現実が待ち受けているのだろうか。

■帰ってきたお中元

「母は、四つん這いのような状態で、テーブルの上に倒れこんでいたんです。体に蛆も湧いていたから、見つかるまで、きっと痒かったでしょうね。ずっと独りぼっちで放置されていたかと思うと、やり切れません。警察によると、死後、1カ月が経っていたとのことでした。ほかの人には、こんな思いをしてほしくないと思っています」

孤独死で母を亡くした戸田和彦さん(仮名)は、当時の様子をこのように振り返った。和彦さんは、都内のゲームアプリ制作会社に勤務する42歳の普通の会社員だ。職業はプログラマーで、妻と3歳の息子とともに都内のマンションで生活している。

普段はあまり連絡のない伯父から、和彦さんの携帯に電話があったのは、夏も真っ只中の8月2日の夕方のことだった。

「妹に送ったお中元が帰ってくる、心配なので見に行ってほしい」

伯父は電話口で慌てたようにそうまくし立てた。

和彦さんの母・京子(仮名)さんは、一人暮らし。和彦さんは、最後に実家に帰ったときのことを思い出した。あれは約1カ月前。そういえば、その後、お母さんに一度メールしたが、返信がなかったんだっけ。

和彦さんは、自宅からすぐに電車を乗り継いで実家のある千葉県にある団地に向かうことにした。

いつもならチャイムを鳴らすと、すぐに出てくる母だったが、その日に限って何の返答もない。ドアにはU字ロックが掛かっているようで、びくともしない。

ただ、一つだけ気になることがあった。

生ゴミを何日も放置したような生臭い臭いが、なぜかドアの辺りにプーンと漂っていたのである。

「それでもそのとき、母が中で死んでいるなんて思いもしませんでした。ゴミ収集前日とかにドアの近くに生ゴミを置いたりすると、臭いがするじゃないですか。それかなぁとか。呑気に思ってました」

開かない実家のドアに、困り果てた和彦さんは、最寄りの交番に相談に行くこと、警察官は急に慌てた様子を見せた。警察官のただならぬ雰囲気に、和彦さんは大げさだなと思った。

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