次の質問どうぞ、河野外相「傲慢答弁」の波紋 しぼむ期待、「ポスト安倍」は石破氏が有利に

東洋経済オンライン / 2018年12月15日 8時0分

11月26日午前、衆議院予算委員会で答弁する河野太郎外相(写真:共同通信)

「ポスト安倍」を目指すとされる河野太郎外相の記者会見での対応が、国会だけでなくメディアでも炎上している。

河野氏は2017年8月に外相に抜擢されて以来、超ハイペースの外国訪問と政界でも有数とされる語学力で、近い将来の総理総裁候補としての存在感をアピールしてきた。しかし、ここにきて、安倍晋三首相が早期合意への意欲をみなぎらせる日ロ交渉をめぐり、河野氏の国会答弁や記者会見での問答無用の態度が、「傲慢の極み」(立憲民主党)などと野党や一部メディアの批判にさらされている。

河野氏はもともと、自民党内の「異端児」として知られ、自らのブログ「ごまめの歯ぎしり」でも、政府与党の方針を厳しく批判することが多かった。しかし、外相に就任すると人が変わったように持論を封印したことで「大人になった」との評価も得た。

■党内外で噴出する外相批判

ただ、自民党の行政改革推進本部「無駄撲滅プロジェクト」の推進役だった河野氏が、国会質疑や外相記者会見で「無駄な質問には答えない」という、無駄嫌いの性格を丸出しにしたことで、党内外から「狭量で、トップリーダーとしての資質に欠ける」との批判が噴出した。来るべきポスト安倍レースへの障害ともなりかねない。

時ならぬ「河野批判」の発生源となったのが12月11日午後の外相定例会見だった。首相が意欲を示す北方領土返還と日ロ平和条約締結交渉にからめて、ロシア外相が「日本が第2次大戦の結果を認めることが第一歩だ」とけん制したことについて問われると、「次の質問どうぞ」とだけ返す回答を4回も繰り返した。業を煮やした記者団が「公の場での質問にそういう答弁をするのは適切ではない」と難詰しても、「交渉に向けての環境をしっかりと整えたい」と、表情も変えずにかわした。

世界に発信される外相会見だけに、外交交渉への影響を考慮するのも当然だが、「『答えられない』とさえ回答せずにスル―するのはほとんど例がない」(閣僚経験者)。それだけに、大手紙やテレビ、ネットで大きな話題となった。

ロシアとの平和条約交渉で交渉責任者を務める河野氏は、臨時国会の質疑でも首相と歩調を合わせる形で「(自らの発言が)交渉に影響を与えることが十分に考えられるので、政府の立場を申し上げるのを控える」などと繰り返し、野党から「説明拒否だ」と批判されていた。外務省記者クラブは11日夕、外相宛ての「国民に対する説明責任を果たしているのかどうか、疑問を禁じ得ない。誠実な会見対応を求める」とする異例の申入れ文書を提出し、河野氏が「神妙に受け止めます」とのコメントを出す騒ぎとなった。

東洋経済オンライン

トピックスRSS

ランキング