マツダ「アテンザ」FR化説に納得しかない理由 駆動方式はなんだかんだクルマの性格を決める

東洋経済オンライン / 2019年1月11日 8時0分

加えて自動車というのは、動力源であるエンジンや駆動力を伝達するためのいろいろなパーツが樹脂などのマウントを介して、いわば浮いた状態で車体に搭載されていて、それらパワートレイン系の振動や揺れがなにかと悪さをする。前軸に集中し、一般的にエンジンを横置きに搭載するFFのほうが、その悪影響は大きく乗員にとっても不快度が高くなる。

そして決定的なのがステアリングへの干渉だ。駆動輪と操舵輪が同じFFでは、駆動力がステアリングフィールに必ず悪影響を与える。ましてや出力の高いエンジンを搭載する高級車であればなおのこと。それは高級車にとっては致命的な問題となる。

静粛性についても、駆動系の部品が少ないFFのほうが静かな気がするところだが、実際にはFRよりもエンジンルーム周辺から車内に侵入する騒音が増える傾向にある。このように挙げればきりがないほどFFは高級車にとって不利だ。

■ゼネラル・モーターズがFRへの大転換を図ったワケ

同じような例、というわけでもないが、高級車でありながら一時期はFF化を推し進めたものの、のちに再びFRへの大転換を図った世界屈指のプレミアムブランドが存在する。ゼネラル・モーターズ(GM)の最高級ブランドである「キャデラック」だ。

GMはかつて最上級パーソナルクーペであるエルドラドを1967年モデルでFF化した。最盛期の1970年には排気量8.2リッターにまで達した400馬力を誇るV8エンジンを全長5.6m超、全幅2m超という巨体に積んだ、とてつもないFF車であった。

大柄でパッケージングの効率性を配慮する必要もなさそうな大柄なクーペになぜFFレイアウトを採用したのかと思わずにいられないところだが、当時としてはほかとの差別化と技術力の高さを誇示する意味合いが強かったものと思われる。

そんなキャデラックも、21世紀を迎えてほどなく初代「CTS」を皮切りにFR化に舵を切り、現状ではすべてFRベースのラインナップとなっている。世界に通用する高級車を実現するには、やはりFRのほうがふさわしいと考えるのは想像にかたくない。

そもそも単にイメージの問題というのも少なからずある。モータリゼーションが本格化する頃まで主流だったFRの駆動方式では、どうしても車体前部に搭載したエンジンの動力を後輪に伝えるためのプロペラシャフトのように大きな部品を車体の下部を通さなければならない。

その点、FFレイアウトは構成部品が少なく限られたスペースのなかで室内空間や荷室を広く確保できるなどの合理性から、小柄な実用車を主体に40年ほど前から一気に普及した。そのため「FFは安グルマのため」のものというイメージが定着してしまった。

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