今の「円の価値」は割安なのか、割高なのか? 為替相場の妥当性をしっかり検証してみよう

東洋経済オンライン / 2019年1月17日 7時30分

今の円の価値は、本当に円高なのか? 妥当性を検証してみよう。為替取引にもうまく使うことができるだろうか?(写真:ファンダンゴ / PIXTA)

最近多くのメディアで、「厳しい米中貿易戦争は今後も続く」という報道をよく目にする。アメリカのトランプ政権が対中国の貿易赤字があまりに大きくなってきているので、さまざまな品目で関税を大幅に引き上げ、中国に対する貿易赤字を少しでも引き下げていこうというものだ。対アメリカで貿易黒字が大きい日本も1つのターゲットだ。ドナルド・トランプ大統領は就任前から日本の為替政策を批判したり、就任後も「現在のドル円水準は円安すぎる」と発言したりしているが、はたして、円はトランプ大統領が言うように「安すぎる」のだろうか。

■為替の「高い」「安い」はどのように考える?

そもそも、為替の「高い」「安い」はどうやって考えればいいのだろうか。たとえば株式市場では、証券会社のアナリストなどが上場会社の財務指標を分析、その企業の適正価格を一生懸命に見定めようとする。

一方で、円、ドル、ユーロといった通貨の適正な価値が今どれくらいか、そしてある通貨の現在の市場での水準は、適正水準と比べてどうなのかを分析することは、思ったほどは日本では活発には行われていない。だが実は21世紀以降、世界ではますます多くのアナリストやエコノミストが、通貨の適正な価値の分析を、さまざまモデルを使い、活発に行っている。

では、通貨の割高・割安分析を行うにはどうすればいいか。まず「その通貨の現在価値がどのくらいなのか」を見る必要がある。たとえば株式の場合なら、「ソニーの株価は現在何円、トヨタ自動車の株価は現在何円」と簡単に現在の株価を見ることができる。それに対して、通貨については通常私たちは「ドル対円」や「ユーロ対円」といったように、単一の通貨の価値ではなく、特定の通貨ペアの交換比率を見ることに慣れている。

しかしこれでは特定の1つの通貨の価値やその推移を見ることはできない。なので、1つの通貨の価値やその推移を見るためには「実効為替レート」が用いられる。では、実効為替レートとは何だろうか。

実効為替レートとは、「ある国の通貨について、その国の輸出入相手国の通貨との為替レートを、輸出入の量に応じて加重平均して求めるレート」のことをいう。

通貨の価値というのは、私たちの日常生活や、輸出入を行う企業の活動に大きな影響を与えるものなので、「輸出入の量で貿易相手国との為替レートを加重平均して算出したレートこそが、その通貨の実際の価値を反映するだろう」という考え方によるものだ。

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