リトル・マーメイドも叩く過剰リベラルの罪 行き過ぎたリベラルに戸惑うアメリカ人たち

東洋経済オンライン / 2019年1月17日 8時30分

行き過ぎたリベラルがトランプを生んだのか?(写真:Mark Ralston/AFP)

昨年の中間選挙を経て、アメリカの議会も1月3日から新しい構成員の下で始動しだした。下院を民主党が制したことから、議会には「ねじれ」が生じているが、それを象徴するかのように、さっそく定議会での予算案の調整がつかず、日本時間で1月15日現在、政府機関の一部が閉鎖中だ。しかし、これは次の大統領選挙までの混乱の序曲にすぎず、今後ますます保守とリベラルの対立が激化していくのではと、懸念する声は非常に多い。

国が分裂し続ける原因はどこにあるのだろう? メディアの報道だけをみると一見保守やトランプ大統領の強引さだけが問題なのかとも思えてしまう。

■行き過ぎた寛容性に疑問の声

しかし、リベラル人口が極端に多い地域であっても、最近聞こえてくる一般市民の反応は、メディアのそれとは少し違うようだ。リベラルにもかかわらず「リベラルの報道がフェアとは言えない」と指摘をする人も増えているし、「リベラル自体にも問題がある」という意見を持つ人すらも結構いるのだ。

報道される情報だけを見て、現代アメリカを語ることなかれ――。今回は、アメリカの「現代流リベラル」が、間違った方向に行っているのではという懸念を持つ、新たなリベラル派たちの実態に迫ってみたい。

一般的にアメリカのリベラル主義というのは、税金を財源とする政府介入の下で、貧困、自然環境、人権、福祉など、あらゆる社会の問題を克服するための政策を重んじる。また、性や宗教の多様性などにも寛大で、不法移民に対しても人権という視点において寛容性がある。

しかし本来リベラルの理想ともいうべきこうした寛容性に対し、困惑しだしたリベラル派が増えている。彼らの多くは中間層、特に子どもがいる家庭だ。

まず、彼らが問題視するのは、弱者への過度な施しである。まじめに働き、税金を納め、日々の生活をやり繰りしている中間層にとっては、時に度が過ぎるとも思えるリベラル政府の貧困援助や不法移民保護などには、納得できない部分も多いといえる。

たとえばいまだ着地点の見えないオバマケアも、この層には不人気だ。オバマケアの恩恵で今までかなわなかった医療を受けられるようになった貧困層には歓迎されているが、その資金源は税金。リベラル優位の州では、こうした保障制度維持のために税金は高くなる一方だ。

また保険代はオバマ前大統領の公約とは裏腹に、結果的に上がってしまったというケースのほうが多く、中間層の家計を直撃している。彼らが政府や大手企業に勤めていれば、組織が保険の約半分をカバーしてくれるからまだマシだろう。しかし、アメリカ全人口の35%を占めるフリーランスで働く人たち(アメリカの非営利団体Freelancers Union調べ、2018)からすると、保険金の値上がりは打撃でしかない。

■社会主義的様相を醸し出すようになった

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