リトル・マーメイドも叩く過剰リベラルの罪 行き過ぎたリベラルに戸惑うアメリカ人たち

東洋経済オンライン / 2019年1月17日 8時30分

カリフォルニア州サクラメント市に住むフリーのウェブデザイナーをしているジョージ・リントンさん(35歳)は、妻と2人の子どもがいるが、家族を賄う保険に日本円にして毎月12万円もの支払いが必要であることに頭を抱えているという。

「フリーは儲かるときと、そうでないときの差がかなりある。たとえば月に3000ドルしか稼げないようなときでも、その半分以上が税金と保険に消えてしまう。税金は毎年上がっている。僕らだって苦しいのに、政府はその横で正義を振りかざし、不法移民などを優先する。これはあまりにフェアとは言えない。生活費の安い土地に引っ越したいが、そういう土地に自分の仕事があるかどうかを考えると不安になるし、八方ふさがりな気分さ」

ジョージさんは「アメリカのリベラルは、社会主義的様相を醸し出すようになってしまった」とため息をつく。頑張って働いても報われない、政府に完全依存する人たちが増え続ける、少しでもそうした不公平を口にすれば、周囲のリベラルたちから非難される――。

平等や多様性を歓迎するリベラル主義を自らも支持しているはずなのに、リベラルであることが時に耐えられない――。ジョージさんのような人は少なくないのだ。

マイノリティーへの過剰な配慮により、子どもへの性教育のあり方が過激になってしまうことにもついていけない人は多い。リベラル優位の州では、小学校で「性別は選べる」「自分が思い込んでいる性と違う場合もある」というようなことを教える自治体が増えている。

しかし、自分がどんなにリベラルで、性の多様性に賛成であっても、それを歓迎できない親はかなりいる。以前の記事で、ゲイのカップルがこうした性教育に最も嫌悪感を示した話を紹介したことがあるが、性的少数派に入る人の中にすら、「小さな子どもにこうした教育はふさわしくない」と考える人はかなり増えていると思えてならない。

そんな1人、ワシントン州ポールスボー市に住むマリア・ブラウンさんは、レズビアンのシングルマザーだが、公立学校の性教育についていけず、数年前に一人娘を「ホームスクール」に変更した。

■小学生に性的マイノリティーの話をする意味

これまでも問題に思う点はいろいろあった。その1つはワシントン州が決定した性教育方針で、過剰ともいえる小学校向け性教育プログラムに懸念を示す親たちのミーティングにも積極的に参加していた。

そんな中、7歳の娘が通う小学校で「マイノリティーの代表として、レズビアンとして生きることも、異性愛者と同様すばらしいことであることについて話してくれ」と依頼された。ブラウンさんは、これがホームスクール移行への決定打となったと苦笑いする。「小学生にいったい何を話せというのでしょう? 私にはさっぱり意図がわかりません」。

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