「Tカード情報提出」CCCに欠けている意識 問題の本質はどこにあるのか

東洋経済オンライン / 2019年1月22日 20時30分

「Tカード」の情報を裁判所の令状なしに捜査当局に提供していることが明らかになったCCC(撮影:今井 康一)

ツタヤの会員証を起源とするポイントシステム「Tポイント」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が、裁判所の令状なしに「Tカード」の情報を捜査当局に提供していることが報道され、波紋を呼んでいる。

CCCはこれまでにも個人情報の扱いに関し、多くの批判にさらされてきた。海外ではフェイスブックやグーグルも批判にさらされているように、“プライバシーのマネタイズ”に関しては近年、厳しい目が向けられているが、同社はまったく気にする素振りもないようだ。

■CCCが悪びれない理由

同社は1月21日に「個人情報保護方針を改訂いたしました」とするリリースを配信し、一連の報道を認めた。同社によると、2012年から「捜査関係事項照会書」を提出するだけで、令状なしに会員の行動履歴を提供しているという。

同リリースによると、CCCは「個人情報保護法を順守したうえで、一層の社会への貢献を目指し捜査機関に協力してまいりました」。ただ今後は、同社が公表している個人情報保護方針を改訂し、会員規約にも明記するとしている。

CCCが悪びれることがない理由は、令状なしでの捜査当局への情報提供に違法性がないためだ。個人情報保護法では法令にのっとった第三者への情報提供を認めており、刑事訴訟法に沿った手続きである捜査事項照会に応じることは違法ではない。

しかし、問題の本質は違法性ではない。個人情報の扱いに関する「雑さ」と「意識の低さ」だ。

コンビニやレンタルショップなど、提携するレストラン、ドラッグストアなどで買い物をするとポイントがたまるTカードには、氏名や電話番号といった会員情報のほか、レンタルしたDVDや音楽のタイトル、購入・レンタルした日付、提携企業の利用日時と取得したポイント数などの履歴が記録される。

近年は実店舗だけではなく、宅配便からネットサービスなど、消費行動のあらゆる場面でポイントが貯まる仕組みを構築して会員数を伸ばし、現在は約6700万人が加入。提携先の業態も多岐にわたっている。

まさに「生活の痕跡そのもの」と言え、実店舗を利用していなくとも、Tポイントに対応したサービスを利用するだけで、とりわけビッグデータを活用した消費行動分析などに活用されていると考えられている。しかし、“生活の足跡”は犯罪捜査にも有効だ。ビッグデータにもさまざまなレベルの情報があるが、CCCが管理しているのは住所・氏名など個人が特定できる会員情報と結びつけられている。

■大切な情報の扱いがあまりに軽い

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