大阪の「ゴミ処理場」に中国人富裕層が行く理由 大都市を訪れるリッチな訪日中国人の攻略法

東洋経済オンライン / 2019年2月20日 7時0分

大阪市・八尾市・松原市環境施設組合の舞洲工場はカラフルな外観が目を引く清掃工場だ。事前申し込みがあれば見学も可能(写真:lemonedo / PIXTA)

「東京や大阪の訪日中国人観光客」といえば、銀座や心斎橋などの繁華街を中心にスーツケースを転がしながら歩く若者、または団体ツアーで来日し、カラフルな服装と派手な振る舞いで存在感がある中高年のイメージが強いだろう。

筆者はインバウンド研究を始めて以来、合計170人以上の訪日中国人そして関係者にデプスインタビューを行ってきた。特に意識的に富裕層を研究している。

富裕層に、東京などの大都市のイメージを聞くと、「来日時に初めて訪れた場所、1度は行くところ」「ディープな観光客は、観光客が多すぎる大都市を避け、地方に行きたくなる」という意見が正直に言って多かった。

しかしながら最近、追跡調査を行った結果、富裕層からの東京への関心度が再び高まってきていることがわかった。そして、大都市を訪れる訪日中国人富裕層の需要には、まだビジネス機会があるといえる。2020年の東京オリンピックや2025年大阪万博に向け、インバウンド市場も拡大が続く。

富裕層観光客の誘致は日本でも検討が進みつつある。その多くは「富裕層」攻略戦略を国別に検討しているが、ターゲット区分としては不十分だ。なぜなら年代別に求める日本観光の重視ポイントが異なるため、しっかりと調査してターゲティングする必要があるからだ。

今回は、最近の訪日中国人の若い富裕層とオトナの富裕層を魅了する日本の大都市の魅力を紹介する。今後の富裕層攻略戦略のヒントにしていただければと思う。

■若い富裕層はファッションとアートの相乗効果を求める

2015年から追跡調査している現在29歳の女性と31歳男性のカップルがいる。中国全土にいくつも店舗があるレストランの社長の息子と金融資産会社のご令嬢というパワーカップルだ。

2人の年収(親からもらった資産からの収入を含め)は軽く1億円を超える。2人ともアメリカ留学し、投資移民としてグリーンカードを持つ。最初に日本に来たときはまだ欧米風のカジュアル・ファッションだったが、いつしか日本ブランドに目覚め、現在はいつもヨウジヤマモトやsacaiに身を包む。

今や、日本ファッションブランドは訪日中国人に大人気なのだ。

日本のファッションブランドに夢中になる理由は、「控え目でセンスが良い」からである。そして衣料品の買い物と並んで、もう1つ夢中になっているのは、美術館、建築見学などアート巡りだという。

大阪で再会したとき、「今回大阪に来た理由は、奈良の鹿を見に行くためですか? それとも買い物ですか?」と彼らに聞いたら、「いいえ、大阪のゴミ処理場に行きたくて、今回は東京ではなく、大阪に来たよ」と答えた。

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