ルノーの日産「西川社長」の見方が変わった理由 スナール会長は日産との関係を改善したい

東洋経済オンライン / 2019年2月23日 7時10分

ルノーのスナール会長の胸の内は(写真:Philippe Wojazer/Reuters)

「この近くに教会はありませんか?」。数年前、ミシュランのジャンドミニク・スナールCEO(当時)は、出張で日本を訪れていた。この日は日曜日で、彼は同胞のクリスチャンたちと礼拝ができる場所を探していた。このとき、誰も同氏のことを気にかける人はいなかった。

だが、2019年2月14日、パリ=シャルル・ド・ゴール空港では、数十人のフランス人ジャーナリストがスナ―ル・ルノー会長を待っていた。そして、日本に着くと、成田国際空港では数十人の日本人ジャーナリストが彼を待ち受けていた。

■スナール会長は「和解策を持ってやってきた」

全世界の注目を集めるようになったスナール会長にとって、今や願いはただ1つだけだ。ルノーと日産自動車が「普通の会社」になること、それだけである。簡単なことのように見えるが、日産のカルロス・ゴーン前会長が逮捕されてから3カ月が経った今、これはとてつもなく難しい課題だ。スナール会長に目下求められている役割は、日仏の「パートナー」の仲を改善することなのである。

今回日本を訪れたのも、ルノー・日産の提携関係を強固なものにすることが目的だった。スナール会長は14日夜、日産の西川廣人社長兼CEOと三菱自動車の益子修会長兼CEOと夕食をともにした後、16日に帰国するまでそのほとんどを日産で過ごしたとされる。

この場でどういう話し合いがあったかはほとんど明らかにされていないが、1つ明らかなことがある。スナール会長とって、日産との関係を改善するのは今しかないということだ。「スナール会長は、“オリーブの枝(和解策)”を持って日本へやってきた」と、同会長に近い関係者は話す。

ルノーが日産株43%を握っていることを考えれば、スナール会長はもっと強気に、日産にモノを言うことができる立場にあるはずだ。しかし、関係者によると、「彼はすばらしい人物でタイヤ会社のCEOとしては優れているが、自動車業界のことも、ルノーのことも、日産のことも、そして日本のこともよく知らない」と話す。

こうした中、争いを好まない同会長は、西川社長とも対立するよりうまくやろう、と考えているようで、自らがゴーン会長の後を継いで日産の会長になろうとは考えていない。今は役員の1人として、日産がガバナンスを立て直すのを見守っていようという立場である。

目下、スナール会長にとって、日産に関する最大の問題は、日産の取締役会である。フランス人、いや、ほとんどの外国人から見ると、日産の現取締役会は株主の利益を考慮した体制とは言い切れない。

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