麻生、二階、菅、「安倍政権3本柱」にあつれき 「ポスト安倍」で3実力者の権力闘争に火ぶた

東洋経済オンライン / 2019年3月1日 18時0分

安倍首相(中央)を支える菅官房長官(左)と麻生財務相(右)の間にあつれきが出ている。写真は2018年6月の中央防災会議に出席する安倍首相ら(写真:時事通信)

米朝首脳会談や統計不正をめぐる国会の与野党攻防に注目が集まる中、ここにきて安倍晋三政権を支える麻生太郎副総理兼財務相、二階俊博自民党幹事長、菅義偉官房長官の「3本柱」のあつれきが永田町の話題となっている。3人のそれぞれの行動や発言ぶりが党内外での批判や反発を招いていることに加え、お互いの政治的対立にもつながっているからだ。

麻生、二階、菅の3氏は、首相が政権の骨格として、多くの政治課題での対応を委ねている実力者だ。ただ、首相と3氏の個人的な距離がそれぞれ異なっている上、「ポスト安倍」での戦略や立場の違いが水面下での権力闘争につながり、安倍1強体制にすきま風が吹く原因とみられている。

■岸田、二階両派の抗争が再燃

衆院予算委通過をめぐる与野党攻防が大詰めを迎えた27日、女性問題で自民党を離党した田畑毅衆院議員(比例代表東海ブロック)が衆院に議員辞職願を提出した。同氏の辞職により、同党比例名簿に従って元職の吉川赳氏が繰り上げ当選する。二階派の田畑氏は2012年衆院選で初当選し、現在当選3回で、いわゆる「魔の3回生」の1人だ。同氏は知人女性から準強制性交容疑で愛知県警に刑事告訴され、与党からも議員辞職要求が噴出したことから辞職に追い込まれた。

単なるスキャンダル辞職以上の騒動となったのは、繰り上げ当選する吉川氏が岸田文雄政調会長の率いる岸田派所属で、衆院静岡5区での自民公認となる党支部長を務めているのが理由だ。1月末に同区選出で旧民主党出身の細野豪志元環境相(無所属)が二階派に「特別会員」として入会して自民入党を目指しているため、次期衆院選での同区公認候補をめぐる岸田、二階両派の派閥抗争が激化するからだ。

細野氏の二階派入会以来、静岡5区の公認をめぐる両派のさや当てはすでに始まっている。岸田氏は25日の吉川氏の後援会会合で「吉川氏を静岡5区でぜひ押し上げてほしい」と拳を振り上げた。ただ、同区では細野氏が3回連続で吉川氏を圧倒した実績があり、二階氏は翌26日の記者会見で「(静岡5区では)有権者の判断を尊重する」と語った。二階氏は25日夜に都内で細野氏と会食して選挙戦略などを話し合っており、岸田氏をけん制した格好だ。

二階、岸田両派は衆院山梨2区で激しい保守分裂選挙を展開してきたが、1月下旬の山梨県知事選で共闘、勝利したことで対立を解消した。しかし、今回の静岡5区での公認争いで派閥抗争が再燃した形だ。自民党内からは「直属議員の監視・教育もできない幹事長が、自派の勢力拡大にまい進するのは横暴だ」(閣僚経験者)との批判が相次ぎ、首相周辺からも「二階氏はやり過ぎ」との批判が漏れるが、二階氏は「どこ吹く風」(側近)とされる。

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