パナソニック社長、在任8年でも退任できぬ事情 「ポスト津賀」には「4人のキーマン」が浮上

東洋経済オンライン / 2019年3月8日 7時20分

パナソニックの津賀一宏社長は在任8年目に突入した。写真は2017年12月、トヨタ自動車との協業検討の記者会見(撮影:今井康一)

2月28日にパナソニックが発表した4月1日付け役員人事で、津賀一宏社長(62)が在任8年目に突入することになった。

2018年度は、津賀社長にとって2度目となる中期経営計画が終了する節目の年だ。2011年度に約7500億円の最終赤字に陥ったパナソニックを、組織再編と成長分野の絞り込みで2017年度に約2400億円の過去最高純益に導いた。着実に会社を成長させてきた津賀社長ゆえに、1年ほど前には「2018年秋の創業100周年記念イベントをやりとげて退任、というシナリオもあるのではないか」(ある幹部)と見る向きが強かった。

ところが、昨年10月時点で津賀社長は「従来の延長線上で経営ができる安定期ならまだしも、この不透明な時期に社長が次々替わるのがよいのかはわからない」と、東洋経済に対して続投の必要性を匂わせており、実際にその言葉どおりの結果となった。

■津賀社長が背負う「2つの課題」

パナソニックの歴史の中で、8年以上社長を続けたのは、創業家の2代(松下幸之助氏と女婿の正治氏)を除くと、3代目の山下俊彦氏(就任期間は1977~1986年)以来33年ぶりとなる。ただ、家電の普及期で、9期連続増収増益を実現した山下社長時代の安定期と、現在の津賀社長が置かれた状況はまったく異なる。というのも、大赤字から脱し、増収増益基調に戻せたところまではよいものの、「総合家電メーカー」から脱皮し、次の成長軸を探すうえでの戦略に、ここにきて変化が生じているからだ。

パナソニックは2013年以降、車載事業を軸とした成長戦略を描いてきた。2014年からの4年間で通常の事業投資とは別に1兆円の戦略投資枠を用意。この過半が投じられたのが車載事業だった。特に、アメリカのテスラと共同で運営する「ギガファクトリー」(約2000億円)をはじめ、トヨタやホンダ、アメリカのフォード向けなどの電池を作る中国大連工場、トヨタ向けの姫路工場など、車載電池関連の設備投資に累計約2500億円を投じてきた。

しかし、電池の売り上げが拡大する一方、肝心の投資回収がなかなか進まないことが悩みの種だった。2017年度は、最大顧客であるテスラ向けビジネスが量産車「モデル3」の生産遅延で電池の出荷が滞り、18億円の営業赤字に。2018年4~6月以降にモデル3の生産が軌道に乗ってからも、新規ラインの立ち上げ費用がかさみ、パナソニックは「当初想定したように利益は出ていない」と説明している(セグメント変更により車載電池単独の収益は非開示)。

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