災害時に突然起きる「自宅の停電」への対処 停電時に住宅用蓄電池はどう機能したか

東洋経済オンライン / 2019年3月12日 8時10分

地震大国の日本。近年は台風や豪雨なども多発し、停電が多く起こっている。そんな中、住宅用蓄電池が徐々に普及してきている(写真:Chi-/PIXTA)

昨年は北海道胆振東部地震(以下、北海道地震)のほか、大型台風の襲来が相次ぐ大規模災害が多発した1年だった。そして、これらの災害によって大規模な停電も発生し、多くの人々が不自由な暮らしを強いられた。

そこで注目されるのが、「住宅用蓄電池(以下、蓄電池)」を備えた住宅の存在。停電の際に電力が確保できるため、不自由さがある程度解消されるとみられるからだ。では実際に、蓄電池を有していた住宅では、停電時にどのような暮らしができていたのだろうか。本稿ではその具体例とともに、蓄電池の現状やこれからの普及についてまとめた。

■2018年だけでも約855万戸が停電

大地震や大型台風だけでなく、近年は豪雨や竜巻などが頻発しており、日本でこの8年間に停電したのは約2600万戸にのぼる。2018年だけでも約855万戸で発生しており、これは全住宅(約5210万戸)の1/6程度にあたる(内閣府ホームページ「防災情報のページ」)。

北海道地震では全道がブラックアウトする事態となった。最大震度7を記録した厚真町では停電期間が最大29日になったほか、約200km離れた北見市でも最大震度3でありながら約31時間も停電が続いた。

東日本大震災直後には、東京電力管内で計画停電が実施されたことも記憶に新しい。関東在住の筆者も体験したが、長い期間、時間ではなかったものの、とても不自由で不安な気持ちになった。実際に被災された方々にとってはなおさらつらい体験だったろうと思われる。

では、まず蓄電池とそれに関連するシステムについて確認しておきたい。東日本大震災以降に普及が始まった、比較的新しい住宅設備機器である。現在、販売されているものは蓄電容量1kWh程度の小容量のものから10kWhを超えるものまである。価格も数万円から100万円超まで幅広い。

近年は安全性の向上からリチウムイオンタイプを中心に室内設置型、壁掛け型なども普及し始めており、中には10kWhクラスの比較的大容量の充電容量でありながら、押し入れのようなスペースにも設置できるコンパクトタイプも登場している。

一般電力に加え、太陽光発電システムにより電力も充電できるものもある。後者は、HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)とパワーコンディショナーなどの付帯設備を必要とする。

また、住宅と電気自動車に搭載されている蓄電池の間で電力をやり取りできる「V2H(Vehicle to Home)」というシステムもある。住宅用に比べ大容量(日産「リーフ」で容量は約30kWh)の蓄電池を活用するものだ。

■災害時に蓄電池はどのように稼働したのか

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