「パクリ」が許される作品と許されない作品の差 インスパイアやオマージュもパクリなのか

東洋経済オンライン / 2019年3月19日 13時10分

パクリとはいったい何でしょうか(写真:CORA/PIXTA)

SNS時代の今日、あらゆる場面で「パクリ問題」が後を絶たない。アリアナ・グランデやBTS(防弾少年団)のような世界的有名歌手から有名作家、大学教授、政治家に至るまで、あらゆる業種・分野において発表したコンテンツに対してパクリが指摘される事例は少なくない。

「パクリ」と一言で言っても、そのあり方はさまざまだ。明らかに違法なパクリから、道義的な判断が求められるもの、なかには言いがかりやこじつけのようなケースもある。しかし、それがどのようなものであれ、パクリ指摘やパクリ疑惑はつねにネットニュースにあふれている。「パクリ」という言葉を目にしない日はないほどだ。そこで、本稿では『パクリの技法』から一部抜粋し、パクリとはいったい何か、なぜ起きるのかについて解説する。

■4段階の「パクリ」

近年「パクリ」がキーワードになった大きな社会問題や事件が急増していることは誰もが知るところでしょう。

今日「パクリ」として一元的に表現されているものの、本来はそれぞれ微妙に異なる意味を持っている用語を、使われる際の「わかりやすさ、使いやすさ(利用する際の難易度)」に基づいて4つのレベルにまとめました。

レベル1:一般用語・感覚としてのパクリ
レベル2:無条件に違法なパクリ
レベル3:許可や手続きが必要なパクリ
レベル4:相互理解/業界内ルールの遵守が必要なパクリ

「レベル1」は、良しあしはさておき、「似ている」という一般的な感覚の下でも用いられます。特に理解に難はありません。レベル2は明らかな違法性が感じられる場合に用いられます。違法コピーのソフトや海賊版サイトなどが該当します。違法性が明確であるだけに、その理解も容易です。

レベル3は正当な許可や手続きを経ていれば合法ですが、意図的であれ不注意であれ、手続きに不備があった場合は、違法になるケースです。その判断には慣れが必要です。

最後にレベル4は用法と意味の理解が最も難しいかもしれません。なぜなら「このくらいなら許される」「過去に敗訴した事例はない」「慣例的に許諾されている」「暗黙の了解」などといった認識で、仮にそれが違法であったとしても、公然とパクリが横行しているケースだからです。

もちろん、法的には明確な結論が出ている場合も少なくありませんが、文化や表現手法として定着していて、違法あるいは違法性があったとしても権利者が強く主張できないこともあります。

例えば、同人誌における二次創作は、明らかな著作権侵害に該当するものばかりですが、同人活動は日本の漫画・アニメ文化の下支えとなっているという認識が権利者の側にもあります。さらには、オリジナル作品が同人活動の二次創作によって知名度を上げたり、商業的成功をしたりしている場合も少なくないため、権利侵害によって権利者が経済的利益を得ているという逆転現象を生み出しているケースも珍しくありません。

■有名作品の中にもあるパクリ

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