ノジマ社長「使い物にならない」発言の波紋 買収した携帯電話販社の停滞ぶりに焦り?

東洋経済オンライン / 2019年3月21日 6時30分

野島廣司社長の「使い物にならない」発言に揺れるノジマ。写真は三鷹東八店(記者撮影)

「ノジマの『人を大事にする』という環境を、買収したITXにも作れたら(業績は)伸びていく」。2014年に携帯電話販売会社ITXの買収を発表した家電量販中堅ノジマの野島廣司社長は週刊東洋経済のインタビューにこう話していた。

ところが、野島社長は2018年8月に朝礼でITXのある社員を「こんなひどい店長がいるのかと思うぐらいひどい店長でした」と実名を明かして非難。「この子は使い物にならない」と発言し、その内容がそのままほかの社員も閲覧できる子会社のイントラネットに掲載されていたことを朝日新聞デジタルが3月14日付けで報じた。

■投資家の前で社員の「降格」に言及

実名で非難された社員は昨年末に退職した。ノジマは野島社長の発言と社員の退職は事実だと認めた上で、「当社代表の野島廣司が感じたことは、よい事例も、悪い事例も従業員に対してオープンにすることで、業務の改善に活かすという社員教育の一環として行ったもの」「今後は従業員に対するメッセージやその表現については、これまで以上に配慮してまいります」(広報担当者)とコメントした。

野島社長のITXに対する遠慮会釈のない発言は、投資家やアナリストの前でも何度か発せられていた。2018年5月に行われた決算説明会では「(ITX社員の)どの人がよい人か悪い人か、差が激しかった」と発言。同じ席上でデジタル家電の利益率悪化を問われると、野島社長は「利益率が低かった携帯と情報ジャンル商品の担当責任者が降格になったりと改革している」と述べた。国内のある機関投資家は「投資家やアナリストの前で担当者の降格まで言及するのは言いすぎ」と感じたという。

また、ある証券アナリストは「ノジマが買収した子会社ITXの成長について、『ノジマで採用して教育した社員を送り込んで、ノジマ流を移植する』と会社の幹部は話していた。子会社再建策として親会社から人材を送り込むのはよくあることだが、会社の説明を聞くと、買収した会社に元々いた社員の立場がどうなっているか疑問だった」と話す。

家電量販業界は「3年以内離職率が10~30%」(業界関係者)が普通で、そのため社員を大量採用する。ノジマも採用には積極的で、2019年にはグループ全体で約950人の新卒社員が入社予定だ。主軸である家電量販事業が順調に拡大していることもあるが、「自社育成した社員で子会社のテコ入れを図る」(ノジマ関係者)ことも背景にある。決算説明会では「ノジマからの出向者がITX店舗にて活躍」という点が強調される。

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