東京の「生活保護」はまったく機能していない いまの日本は「階層」がはっきりしている

東洋経済オンライン / 2019年3月22日 7時30分

貧困者の個別支援活動を行うNPO法人ほっとプラス代表理事の藤田孝典氏(右)とノンフィクションライター中村淳彦氏に貧困に喘ぐ女性たちの現状を聞いた(撮影:梅谷秀司)

大学卒業後に重くのしかかる奨学金、いくら成果を出しても変わらない派遣の給与、収入が低くても受給できない生活保護……。貧困を救う制度は名ばかりなのか、貧困に喘ぐ女性が急増している。彼女たちを取り巻く大きな問題は、「1年後の自分が見えない」ということだ。大学生のような若者だけではない。派遣で働く独身女性、子どもを育てるシングルマザー……、あらゆる世代の女性たちから同じような嘆きの声が聞こえてくる。

明日に希望を持てない人が増える国に、明るい未来はあるのだろうか? いったい彼女たちに何が起こっているのか? 貧困者の個別支援活動と貧困問題の改善に向けた提言を行っているNPO法人ほっとプラス代表理事の藤田孝典氏と、1億2000万PV超の人気連載「貧困に喘ぐ女性の現実」をもとに書き下ろした『東京貧困女子。』(4月5日発売)を執筆したノンフィクションライターの中村淳彦氏に、貧困に喘ぐ女性の現状について語ってもらった。

■SOSを求めてくる人は、どんどん増えている

中村:藤田さんはいま、ZOZOTOWNの労働問題やコンビニオーナー問題をやっていますが、雇用の問題は、本当に諸悪の根源。女性だったら非正規の単身やシングルマザーというだけでかなり厳しい貧困になる。貧困は生活が苦しいというだけでなく、健康を壊したり、子どもの未来を奪ったり、命を絶とうというところまでいく。

藤田:僕のところには年間300件くらいの相談があって、男性のほうが若干多い。ネットカフェで生活しているとか、友人宅を転々みたいな人が、どうにもならなくて相談にきます。生活困窮なり借金なり、精神疾患、障害を抱えながらSOSを求めてくる人は、どんどん増えていますね。

中村:追いつめられて助けを求めにきた人に対して、具体的になにをするの?

藤田:生活保護の申請に付き添うとか、精神疾患とかで病院に付き添うとか、借金の整理で弁護士さんのところに行くとか。アパート探しも付き添うし、やることは多岐にわたりますね。

中村:徹底して個別対応をするわけですね。藤田さんみたいな活動家がいるから、僕は取材だけに集中できる。僕はアドバイスや支援はしないけど、気づいたのは困難な現在を誰かに話すことによって、気分が楽になったり、自分がするべきことの整理がついたり、というポジティブな手応えはあった。

藤田:僕はもともと就職氷河期世代で、ホームレス状態の人とか、困窮する人たちにシンパシーがあった。「自分も将来なるんじゃないか」という恐怖感からです。路上生活者を訪問しながら味噌汁を配ったり、おにぎりを配る活動をしていると、誰もが普通に貧困になる可能性を実感する。本当に他人事ではなかった。

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