日本が「関税フリー」な貿易を大きく広げる意味 日欧EPA、TPPなどを進め勝ち組になれるのか

東洋経済オンライン / 2019年3月26日 17時30分

日本はもう「輸出大国」ではなくなっている(写真:freeangle/PIXTA)

2月1日から始まった日本とEU(欧州連合)の自由貿易体制は、早速フランス・ボルドーのワインを800円台で楽しめる機会を与えてくれた。世界最大級と言われる今回の「日欧EPA(経済連携協定)」のスタートによって、日本は新たに6億4000万人の新しい「自由貿易圏」に参加することになった。

日欧EPAは、世界のGDP総額の約3割を占め、貿易量では約4割のシェアを持つ。加えて日本は、「TPP(環太平洋パートナーシップ協定)」に参加することが決まり、こちらの約5億人の人口を加えると、合計で11億人を超える自由経済市場に参加することになる。

イギリスの「BBC」は、日本は「自由経済圏で勝ち組になる」と予測したが、自由経済圏で勝ち組になるためには、日本製品を買ってもらう必要がある。 世界中のどこでも日本企業が進出して工場をつくることができる半面、世界中の企業や労働者も日本に工場をつくり、働くことができる社会に移行していく可能性が高い。

日本製品を自由貿易圏で関税なしで販売できるようになるが、日本でも海外の企業が自由にビジネスできる環境に移行していくため、日本国内の過当競争にはさらに拍車がかかる。しかも、これからの日本は深刻な人手不足が予想され、日本国内にどっと外国人労働者が入ってくる可能性も高くなる。

安倍政権が「世界貿易投資のルールづくりを指導する立場になる」ことを目指して始めた自由貿易圏拡大だが、当初想定していたよりも人口減少の影響が大きいいま、日本はどうやって自由貿易圏で生き残れるのか……。その課題が忘れられているのではないか。

■FTA、EPA、TPP、TAG…、 何がどう異なるのか?

まずは、基礎的な知識から整理しておこう。 EPAやFTA、そしてTPP、TAGの違いをおさらいしてみよう。

●FTA(自由貿易協定)……Free Trade Agreementの略。特定の国と特定の国(または地域)との間で関税を撤廃し、モノやサービスの自由な貿易を推進することを目的とした協定。 通商貿易の基本中の基本とも言える。

●EPA(経済連携協定)……Economic Partnership Agreementの略。FTAをベースにした経済上の連携を強化した協定のこと。

関税撤廃に加えて、知的財産の保護や投資ルールの整備、人的交流の拡大、投資の自由化、競争政策におけるルールの整備などなど、さまざまな分野の経済的な協力体制づくりを目指す。ヒト、モノ、カネの移動の自由化、円滑化を図るのが目的だ。日本とEUが結んだ貿易協定も、このEPAになる。関税だけではなく、電子商取引などの経済ルールなども整備していくことになっている。

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