今季好調の湘南ベルマーレが変貌を遂げたワケ 梅崎選手が語る「個人と組織の成長」の秘訣

東洋経済オンライン / 2019年4月9日 8時30分

曺監督がいつも「試合に出ているとか出ていないとかは関係ない。お前らがチームにとって必要なことを言わなきゃ、人間としてもダメだし、チームとしても絶対によくない」と言っていたこともあって、そのロッカールームは、誰かの文句とか悪口ではなく、チームをよくするために、全員が日頃から思っていることを打ち明ける場になりました。

僕は浦和レッズ時代、「自分は中心選手ではない」という思いを感じていて、何か気づいたことがあっても、自分の中にしまい込んで発言しないということがよくありました。でも、ベルマーレに来てそういう自分も変えたいと思っていたので、その場では感じていたことを率直に話しました。

チームメイトから僕に対しても、「梅さん、ここはレッズじゃないです。そういうプレーしていたらチームとして困ります」と意見されました。でも、腹が立つことはなかったです。むしろ、自分はチームにフィットしていないし、チームを理解できていないというモヤモヤを感じていたので、「俺はどうしたらいい? もっとなんでも言ってほしい」という気持ちでした。

■チーム全員が泣いた日

この話し合いは1時間ほど続いて、いつしかロッカールームの中は熱い雰囲気に包まれ、気づけばチーム全員が泣いていました。

この事件を機に、トレーニング中も選手間で遠慮なく、厳しく言い合うようになったし、トレーニング以外でも、チーム内のコミュニケーションは確実に増えました。

僕も副キャプテンを任され、ときにはキャプテンマークを巻くようになって意識が変わり、積極的に発言をしたり、ほかの選手へのアドバイスをするようになりました。チームの皆がなんの遠慮もなく、「どうすればよくなるのか」をぶつけ合う。それこそが、「組織」が強く変貌を遂げるために絶対に必要なことだと学びました。

チームの団結力が高まったこと、トーナメントで若いチームが勢いに乗ったことで、JリーグYBCルヴァンカップでは優勝することができました。でも、長丁場のJリーグでは選手層や総合力が問われます。

ルヴァンカップを勝ち抜いたことで僕ら選手の疲労も増したシーズン終盤、なかなか勝ち星が増えず、残留争いが厳しさを増す中で、チーム内の緊張はどんどん高まっていきました。このとき、僕は「こういうときこそ俺がやってやるんだ、それが俺の役目だ」と思っていました。

「俺が決めてヒーローになってやる」という気持ちをよみがえらせてくれたのは、曺監督です。ロッカールーム事件の直前に、こんなことがありました。

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