妖怪ウォッチが「かつてない難局」を迎えた理由 ガンダムも陥った「多様な世代」を狙う難しさ

東洋経済オンライン / 2019年4月10日 7時40分

かつては「ユーキャン 新語・流行語大賞」にも選ばれたほど爆発的なブームを巻き起こした『妖怪ウォッチ』だったが、今は人気が低迷している。その原因を探ってみた(写真:アフロ)

かつては「第2のポケモンになる」とまで言われた「妖怪ウォッチ」の元気がない。グッズ販売はふるわず、専門ショップは今年2月にすべて閉店した(オンラインショップのみ継続)。

さらに、3月に最終回を迎えたアニメ「妖怪ウォッチ シャドウサイド」(テレビ東京系列・2018~2019年)の視聴率も低迷。ビデオリサーチ社の調査によると、シリーズ1作目となる「妖怪ウォッチ」(2014~2018年)が夕方のアニメ枠としては異例の5%台を記録したのに対し、次作のシャドウサイドは2%前後。1月13日の放送以降も3%を超えることはかった。

いったい何が原因だったのだろうか? その原因を解説するために、まずは同作品の歴史を簡単に振り返りたい。

■2014年に「妖怪ウォッチ」ブーム到来

2014年に放送が始まった「妖怪ウォッチ」。当初はドラえもんやジブリアニメ、昭和の名作ドラマ・映画などのパロディーを交えながら、オレンジ色の肌と腹巻きが特徴の地縛霊・ジバニャンをはじめ、ユニークな妖怪たちが毎週のようにネット上の話題となり、高視聴率を獲得した。

関連グッズの販売もうまくいった。妖怪を探索できるという設定の腕時計型のアイテム「妖怪ウォッチ」と、そこに差し込んで友だちとなった妖怪の召喚を楽しむ「妖怪メダル」は大人気となり、量販店には大行列ができた。国内での人気を受け、2015年からはアメリカでの展開もスタートさせている。

しかし、その熱狂は長くは続かなかった。最もネックとなったのはウォッチとメダルの生産が追いつかなかったことだ。

商品化を手がけるバンダイナムコHDは2014年5月の決算説明会で「発売から3カ月までに700万枚を販売、6月までに累計生産数を2500万~3000万枚に増産する体制を整える」としたが、消費者からは「子どもがほしがっているのに手に入らない」という不満の声が相次いだ。

メダルで遊ぶにはそれを挿入するウォッチが必須だが、その供給が追いつかず、高額な転売も横行した。その年の夏休みには、妖怪ウォッチの自作を試みる動画が人気を集めるなど、その切実さは尋常ではなかった。

「ごっこ遊び」と「収集」は、子ども向けアニメビジネスに欠かせない要素だ。かつてポケモンが確立したものの、やや人気が落ち着いていたこのカテゴリーに妖怪ウォッチはピッタリとはまったと言えるだろう。

しかもポケモンはゲーム機がないとその楽しみ方は限定的になるのに対して、妖怪ウォッチはゲーム機なしでも十分にその世界観を味わえる仕掛けを備えていた。しかし、遊ぶためのグッズがない状態が半年以上続いたことは作品にとって大きなダメージとなった。

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