日経平均株価の「異常な値動き」に注意が必要だ 外需株も内需株も買えるような状況ではない

東洋経済オンライン / 2019年4月15日 7時30分

日経平均株価は目先上昇しそうだが、筆者は「異常」だという。やはり「嵐の前」なのだろうか(写真:まちゃー/PIXTA)

アメリカの株価指数は4月5日(金)辺りまで堅調に推移した。それを受けて日本の株価指数も8日(月)辺りまでは、やはり堅調だった。ただ、そうした先々週の強めの株価の背景要因や物色動向は、危うさを覚えざるを得ない状況だった。

■中国経済に対する勝手な「悪玉論と楽観論」

まず背景要因として、市場が勝手にみなしていた「中国経済こそ最大の悪玉論」を、今度は勝手に「中国経済は改善に向かった」とした点がある。材料は、3月31日(日)に公表された3月の中国製造業の景況感指数が上昇したことから、同国経済への楽観が広がった。それに4月3日(水)から5日(金)にかけてワシントンDCで行なわれた、米中2国間の閣僚級通商交渉を経て「いずれ両国間で妥結がなされるだろう」という期待も生じた。

このため、「中国経済が改善すれば世界経済も大丈夫だ、なぜなら世界経済の足をひっぱる悪役はもっぱら中国であり、中国の景気さえよくなれば後は心配することは何もない」、という「誤解」が広がった。先々週の株価上昇局面においては、日本株では海運、非鉄金属などの景気敏感業種が株価の上昇を見せた。加えて、世界の設備投資や建設投資も改善するだろうと、機械・電気機器の投資関連企業(工作機械、産業用ロボット、建設機械など)の株価が主に堅調推移した。

しかし、これまでずっと当コラムで述べてきたように、筆者の「年央に向けて大きく日本の株価も下落する」というシナリオの主要因は、中国ではなく、これからアメリカの経済が後退期に陥ることだ。そうした観点を持っている人間からみると、中国だけが世界経済の悪役になるというのは的外れに見えるし、したがって中国経済が景気対策などで持ち直せば他に心配がない、という見解も、当を得ていないと考える。

実際の市況動向も、そうした行き過ぎた楽観論の揺り戻しからか、先週に入ると、日本株の景気敏感と投資関連の物色は勢いを失い、反落した。

こうして先週日本の外需株の買いが衰えたため、相対的に内需系業種の株価が優位となった。しかし国内経済の脆弱さを踏まえると、内需株を買い上がっていけるような環境ではない。

特に先週は、日本の内需の先行きに警鐘を鳴らすような経済統計が目に付いた。8日(月)には、3月の消費者態度指数が発表された。これは消費者の心理を示すデータだが、6か月連続の前月比減少を記録し、昨年1月を起点とした低下傾向に歯止めがかからない。それどころか、3月分は前月比1.0ポイント低下したが、これは現在の悪化局面では一度もなかった大幅なものだ。

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