「日本のホットケーキ」、世界を魅了する5大理由 「造形美」「差別化」…魅力溢れるその訳は?

東洋経済オンライン / 2019年4月19日 6時50分

「世界一美しい」と言われる、板橋区大山の喫茶店「ピノキオ」のホットケーキ(撮影:今 祥雄)

ホットケーキという食べ物は、地味でありふれていて、手間暇がかかるのに値段が安い。商売として考えれば、あまり魅力的には思えないが、じつはホットケーキにはビジネスのヒントが詰まっている――。
『現場力を鍛える』『見える化』など数多くの著作があり、経営コンサルタントとして100社を超える経営に関与してきた遠藤功氏は、「一見ありふれていると思われているホットケーキだからこそ、ビジネスとして成功するチャンスがある」という。

このたび『「ホットケーキの神さまたち」に学ぶビジネスで成功する10のヒント』を上梓した遠藤氏に、いままで出会ったホットケーキの繁盛店の取り組みを参考に、ビジネスで成功するためのヒントを解説してもらう。

■「おいしい」ホットケーキ探しから始まった

「ホットケーキ」と「ビジネス」。一見なんの関係もないように見えます。私も、最初はそう思っていました。

その昔、神田須田町に「万惣フルーツパーラー」というホットケーキの名店がありました。小学生のころ、そのお店で食べるホットケーキが大きな楽しみのひとつでしたが、2012年に閉店してしまいました。昭和の偉大な食べ物が「絶滅危惧種」であることに気がついた私は、それ以来、おいしいホットケーキを探し求め、食べ歩くようになりました。

ホットケーキのおいしいお店を訪ね歩くうちに、経営コンサルタントという私の職業病が徐々に頭をもたげてきました。おいしいホットケーキを食べに行きながらも、ビジネスとしての疑問が湧いてきたのです。

「なぜ、面倒くさくて値段も安いホットケーキを提供しているんだろう?」

「なぜ、家庭でも作れるホットケーキを並んででも食べに来るんだろう?」

「なぜ、外国人たちはこぞってホットケーキのお店に押しかけるんだろう?」

なかでも、私たちが知らない間に、「日本のホットケーキ」が世界を魅了していることに驚きました。私たちが気づいていない、意識していない「価値」を、日本人だけでなく外国人も高く評価しているのです。

実際、ホットケーキの繁盛店には世界中からお客さまが来店します。その国籍は、アメリカ、中国といったメジャーな国だけでなく、エストニア、北アイルランド、ポルトガル、タヒチと、じつにさまざま。ホットケーキだけで年間5万食も出るすごいお店もあります。

私は、それぞれのお店がさまざまな工夫を凝らしている様子を知るにつれ、「ホットケーキという食べ物にはビジネスで成功するためのとても大切なヒントが隠されている」ような気がしてきたのです。ともすると大企業が忘れてしまいがちな「ビジネスの本質」を突くようなとても大事な考え方や取り組みが、そこにはありました。

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