東京のバリアフリーに足りない「観光客目線」 英語で観光情報を伝える車いす生活者の思い

東洋経済オンライン / 2019年4月20日 13時0分

英語で日本の観光情報を発信するサイト「Accessible Japan」を制作しているグリズデイル・バリージョシュアさん(筆者撮影)

障害のある外国人旅行者向けに、日本の観光情報を英語で発信しているウェブサイトがある。サイトの名前は「Accessible Japan」。制作しているのは東京都江戸川区に住む、グリズデイル・バリージョシュアさん(38)だ。

電動車いすの生活をしているグリズデイルさんは、自ら足を運んで観光地やホテル、交通機関などのバリアフリーを調査し、外国人向けに情報発信している。その情報は、日本人にも役に立つ内容だ。グリズデイルさんはサイトを見た人からの相談に直接応じているほか、ガイドの紹介もする。

筆者は前回の記事(『「東京パラ」に懸念、バリアフリー未整備の内実』)で、東京2020パラリンピックを前に、バリアフリーのホテルが足りない現状を指摘した。海外からの外国人訪日客が今後も多く見込まれる中で、当事者目線から考えることも重要になってくる。今回は電動車いすユーザーと外国人旅行客から見た東京のバリアフリーの課題を探る。

■「日本に恩返しがしたい」とサイトを制作

グリズデイルさんはカナダで生まれ育った。生まれつき脳性まひと診断され、4歳から車いすの生活をしている。高校で日本語の授業を選択したことで、日本の文化に興味を持ち、日本が好きになったという。

「当時はITバブルの時代で、ITの仕事をしたいと思っていました。とくに印象的だったのが、任天堂やソニーなどの日本の企業です。日本語を勉強しながら、将来働けたらいいなと思っていました」

初めて日本を訪れたのは2000年。以来、何度も来日し、全国を旅行する中で、日本に住みたいと思うようになった。2007年に移住を決め、NPO法人のIT担当者として就職。現在はアゼリーグループ社会福祉法人江寿会のウェブマスターとして、特別養護老人ホームや幼稚園、保育園のホームページの制作業務を担当している。2016年に日本国籍を取得した。

「Accessible Japan」を開設したのは2015年春。最初はブログとして始めたところ、障害のある外国人旅行者からの問い合わせが多くなった。そこで観光名所のバリアフリー情報や宿泊可能なホテル、交通機関、トイレ、会話集などのコンテンツを充実させることで、今の形ができた。

「ウェブサイトを作ったのは、日本に何か恩返しがしたい、日本の役に立ちたいと考えたからです。初めて日本に来たとき、バリアフリーの情報だけでなく、英語の観光情報自体がほとんどありませんでした。障害のある人たちがもっと簡単に日本に来ることができるようになればと思い、自分があったらいいなと思う情報をアップしています」

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