「薬物依存俳優」にアメリカ人が超寛容な理由 アベンジャーズ俳優も「依存症」に苦しんだ

東洋経済オンライン / 2019年4月22日 13時0分

違法なドラッグで逮捕されても、アメリカではそれほど騒がれることはない。日本とアメリカでは、なぜこれほど温度差があるのだろか?(写真:Han Myung-Gu/WireImage/GettyImages)

ピエール瀧のコカイン所持逮捕事件が、波紋を呼び続けている。CMの放映は中止され、大河ドラマも別の役者で再撮影されるとのこと。それらをめぐって損害賠償はどうなるのかという話題も聞く。

言うまでもなく、悲しいかなハリウッドは、違法ドラッグがらみのトラブルに関して経験豊かなベテランだ。有名スターがこのような事件で逮捕された場合、アメリカではどれくらいの騒ぎになるのか?

■「キャリアが終わる」ことはない

答えを先に言うなら、ほとんど騒がれない。過剰摂取(OD)で命を落とした、あるいは落としそうになったとなれば、もちろん大ニュースだ。だが、逮捕されただけならば、誰も大して驚かないというのが、実際のところなのである。

薬物使用でキャリアが落ち目になったスターも、もちろんいる。しかし、それは逮捕のせいで映画やテレビから締め出されたというより、依存症の影響で職場に迷惑をかけた結果である。遅刻や無断欠勤をする、セリフを覚えてこない、などだ。

そんな人を雇うと振り回されて大変だし、何しろ保険会社が嫌う。ハリウッドでは映画の製作プロジェクトごとに保険に入るのだが、キャストにこういう人物がいると、保険代が桁外れに高くなるのだ。

「アベンジャーズ」「アイアンマン」シリーズでおなじみのロバート・ダウニー・Jr.は、過去に薬物がらみで服役し、出所してきた後、ウディ・アレンから出演をオファーされるも、出演にあたっての高額な保険代が理由で最終的に断られた。

彼の場合は、親しい友人メル・ギブソンが、「保険代は自分の懐から出す」と、自らプロデューサーも兼任する映画『The Singing Detective(日本未公開)』に出させてくれたおかげで、復活の機会を与えられている。リンジー・ローハンも、保険が高くなりすぎて「事実上雇えない人」のハンコを押された1人だ。

1990年代末に、コカイン所持で何度か逮捕されたチャーリー・シーンは、きちんと更生しないまま、2000年代にコメディー番組「Two and a Half Men」でキャリアのピークを謳歌するも、12カ月の間に3度も依存症更生プログラムのため撮影を停止するなど、迷惑をかけ続けた。それでも製作側は我慢し続けてくれたのに、シーンが反省しないばかりか、揚げ句に番組のクリエーターの悪口を公にぶちまけたため、ついにクビになっている。

人気コメディードラマ「フレンズ」で6人いる主役の1人、チャンドラーを演じたマシュー・ペリーも、放映中、薬物依存症で更生施設に入所したり、その影響で体重が極端に増減したりしたが、番組にはそのまま出演し続けた。

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