日本の車載電池が「排ガス規制で受ける恩恵」 ライバルは韓国・中国、問われる成長戦略

東洋経済オンライン / 2019年5月1日 8時0分

自動車メーカーは次世代車開発に必死です。その流れは開発に必要な車載電池の製造会社にも波及しています(写真:MediaFOTO/PIXTA)

1990年9月に発効したアメリカ・カリフォルニア(CA)州ZEV(ゼロエミッション車)規制から30年近くが経過した。

アメリカ・ビッグ3のGM、フォード、クライスラー、および日本ビッグ3のトヨタ、ホンダ、日産に対して、1998年からCA州での販売台数の2%を電気自動車(EV)にしなければならない取り決めだったが、次ページの図に示すように、法規内容に紆余曲折はあったものの、現在まで途絶えることなく続いてきた。

■日米自動車業界を震撼させたZEV法規とCO2規制

2018年からは対象企業として、独ダイムラー、BMW、フォルクスワーゲン(VW)、韓国現代/起亜グループが追加されている。さらに同年にはEV、燃料電池車(FCV)、そしてプラグインハイブリッド車(PHEV)の組み合わせで販売台数の4.5%が要求された。その数値は段階的に拡大され、2025年には22%を実現すべく規制強化が加わる。

自動車業界も売れるEVやPHEVの開発に心血を注がないと、莫大な罰金をペナルティとして科せられることになるため、生半可な対応では命取りになる。

欧州CO2規制も2021年から適用になるが、これもまた電動化を加速させなくてはならない大きな原動力となっている。ディーゼル車にこだわり続けてきた欧州自動車業界にとっては生き残りをかけた電動化戦略が余儀なくされている。

2021年のCO2排出基準である95g/kmに対して、基準クリアに最も近いのはハイブリッド車(HEV)で低燃費を実現しているトヨタ(100g/kmレベルを実現中)である。一方、最も遠くに位置しているのがダイムラー、BMW、VW、いわゆるジャーマン3で、125~130g/kmとほど遠い。それだけにCO2低減に直結するEVやPHEVの大幅導入が不可欠となっている。

そのCO2規制は段階的に厳しくなり、2025年には70~80g/km、30年には60g/km未満の数値まで計画されている。

一方の中国NEV規制での産業界に大きな逆風が吹いている。EV政策に莫大な補助金を投じてきた中国は、2020年に補助金に終止符を打つ。予定通り補助金が終了すれば、中国ローカルEV各社や電池各社の経営破綻は避けられない。

また電池各社とつながる部材メーカーの経営悪化にもつながりかねずその影響は計り知れない。結果として、中国政府が提唱してきた「自動車強国」「エコカー戦略」も破綻することもないとは言い切れない。

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