ネット上に「マナーポリス」が横行するわけ 日本人はなぜ「マナー=正解」が大好きなのか

東洋経済オンライン / 2019年5月15日 7時20分

根拠のないマナーに対し、それを知らない者は「常識」がないと叩かれるという「謎マナー」とは?(写真:Graphs/PIXTA)

「本当にどうでもいいじゃん」。最近のネットにはそんな話題にあふれている。まあ、ネットというのは、そもそもが、そういうところなのかもしれないが、とくに、人の心をざわつかせているのが、「謎マナー」というやつだ。

つい先日は、モデルの山田優さんが、「天皇皇后両陛下お疲れ様でした」とつづったブログが、「失礼だ」と話題になった。「お疲れ様」というのを目上の人間に使うのはおかしい、ましてや天皇陛下に対して……と、批判が集まったというのだ。

これに対して、国語の専門家が、「ほとんどの辞書では、目上の人に『お疲れ様』と使うことはおかしくない、とされている」とTwitterでコメントしているが、必要かどうかわからない、根拠のない「謎マナー」はまだまだ、星の数ほど存在する。

■ゴマンとある理不尽すぎる謎マナー

この10年ほどでネット上で急速に広がったのが、「『了解しました』は失礼」論だ。筆者もそんな書き込みを目にしてから、「承知しました」「かしこまりました」などと書き換えるようにした。そもそも、なんで、ダメなのかもよくわかっていないままに、「粗相(そそう)があってはならない」と同調してしまったのである。

ネット上で調べてみると、かつては「了解しました」は相手の年齢に関係なくOKとされていたらしいが、10年ほど前から、「了解=失礼」説が出始めたらしい。どうやら、根拠はあまりないらしく、ネットという拡散装置で、いかにも「真説」として流布してしまったようだ。

そもそも「箸の上げ下ろしまで」を気にする「重箱の隅をつつく」系の国民性であり、人の行動をありとあらゆる角度から規制する「ブービートラップ」が無数に存在する社会なのである。「男子の髪型は丸刈り」「下着は白」などのブラック校則から、上司以外のハンコは斜めに押す、履歴書は手書き、名刺は相手より低い位置から出す、ビールを注ぐときはラベルを上になど、理不尽すぎる謎マナー・ルールはゴマンとある。

なぜそれが必要かと言われれば、まったく理由が説明できない非合理ルールであっても、「慣習」「決まり」「風紀」「伝統」とか言われてしまえば、ぐうの音もでない。

こうした「古くからの伝統系ルール」に加えて、「エレベーターで話してはならない」とか、「飲み会に誘ってはならない」とか、「男性上司は女性の部下と2人きりで食事に行ってはならない」といった「新ルール」も次々と登場し、もうがんじがらめなのである。

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