幼児期までに「多様な細菌」と触れ合うべき理由 「ママ医師」が教える菌との正しい付き合い方

東洋経済オンライン / 2019年5月25日 7時50分

幼少期から除菌・抗菌をしすぎると、アレルギーなどへの耐性が失われてしまう可能性があります(写真:Fast&Slow/PIXTA)

「子どもを病気にさせないために」と、せっせとご家庭で除菌・抗菌に励んでいる親御さんもいらっしゃるでしょう。しかし、その行動はかえってお子さんを病気に近づけるかもしれません。最近の研究では、幼少期に土や動物と触れ合って細菌を体内に取り入れたほうが、アレルギーや肥満になりにくいことがわかっています。

それでは、具体的にどうすれば子どもを病気から守ることができるのでしょうか。「子どもを牧場に連れて行くべき?」「薬用せっけんを使うべき?」といった素朴な疑問に、シカゴ大学教授らが最新の研究結果から答える書籍『子どもの人生は「腸」で決まる:3歳までにやっておきたい最強の免疫力の育て方』が注目を集めています。

本書の内容をふまえ、自身も1児の母である森田麻里子医師に「そもそも細菌とは何か、どう細菌と付き合っていけばいいのか、日本でどのような研究結果が出ているのか」を伺いました。

■人間は微生物からできている

花粉症やアレルギー、肥満などさまざまな病気が、実は腸内細菌と関連しているのではないか? そんなことが、近年盛んに研究されています。スーパーのヨーグルト売り場でも、悪玉菌、善玉菌など、腸内細菌と健康に関する言葉が目に飛び込んできます。

一方で、ドラッグストアに行くと、ハンドソープのほとんどには、除菌や殺菌という表示がついています。殺菌成分の入っていないふつうのハンドソープを探すほうが難しく、お店によっては取り扱いがない場合もあります。ウエットティッシュも同じで、ただ水分が含まれているだけという製品は多くなく、売れ筋はやはり除菌効果をうたうものです。

こういった商品を見ていると、細菌は自分の体や家の中にはいないもの・いてはいけないものだけれど、腸の中だけは特別に菌がいる、というようなイメージを持たれるかもしれません。しかし、これは大きな勘違いです。

どんな人であっても、人間は皆、微生物だらけです。赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいるときは無菌ですが、お腹の外に出るその瞬間から、菌との共生が始まります。お母さんの皮膚から赤ちゃんの皮膚へと、細菌が受け渡されます。

口から消化管に入り込んでいった菌は、腸で繁殖して腸内細菌叢をつくります。消化管だけでなく、皮膚、そして喉や鼻などの気道は、外界と通じている場所です。こういった場所にはさまざまな細菌が生息していて、大人1人には少なくとも数十兆個の細菌がいると言われています。

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