トヨタ、日産が「中国地場メーカー」と組む狙い 地元企業と連携でNEVクレジット獲得も一案

東洋経済オンライン / 2019年5月27日 17時50分

日産に注目された新興EVメーカー威馬汽車の量産車種(筆者撮影)

トヨタは2019年4月、中国新興電気自動車(EV)メーカーの奇点汽車に電動化技術を販売することを発表した。トヨタにとっては技術を販売する一方で、奇点汽車がもともと持つモビリティー関連のノウハウを吸収しようとする狙いがある。5月には日産が中国新興EVメーカーの威馬汽車など3社を選定し、1社当たり最大25%の出資を検討するとブルームバーグが報道した。

両社の狙いの実現のほどは別として、日系メーカーは中国政府が実施した「企業平均燃費(CAFE)規制および新エネルギー車(NEV)規制」への対応に迫られることが必須となる。減速する中国新車市場では、日系自動車メーカーがガソリン車の生産・販売に注力しつつも、地場NEVメーカーとの提携も視野に入れる。

中国の新車販売は2018年に28年ぶりにマイナス成長となり、今年の1~4月には前年同期比12%減となった。新車市場では、自動車排ガス規制「国6b」基準の導入、政府による自動車消費喚起策の発表などを控え、消費者の模様眺めムードが継続している。

また国内経済の減速や米中貿易摩擦の長期化による消費マインドの低下に加え、新車需要の低迷が続いている。

一方、NEV市場は中国政府の補助金政策などの後押しにより、低迷する新車市場の中で引き続き成長分野となっている。

今年4月の中国乗用車市場を見ると、日系自動車メーカー4社の車種が販売台数トップ10にランクインし、直近10年間で最も高い成績を示した。トヨタ「カローラ」、日産「シルフィ」、ホンダ「アコード」は車内空間の快適さと燃費のよさが評価され、セダン市場でトップ5までに躍進した。

■中国で日本車メーカーの販売好調際立つ

また多目的スポーツ車(SUV)市場では、日産「エクストレイル」と「キャシュカイ」、ホンダ「XRV」と「CR-V」が、中国人ファンの着実な増加により、外資系SUV販売台数の上位に入った。

今後、日系自動車メーカーはガソリン車の販売好調を維持すると同時に、「ダブルクレジット政策」とよばれる中国の「CAFE規制・NEV規制」をクリアする必要がある。そのために燃費クレジットとNEVクレジットの双方への対応が迫られる。

CAFE規制対応のため、日系自動車メーカーは、ガソリン車生産の増加に応じて、NEVの生産を増加させる必要が生じる。また燃費規制への対応の遅れにより、さらにNEVの生産負担が増加する。

中国政府は今年より、生産・輸入台数の10%相当分を「NEVクレジット」として計算し、罰則付きで乗用車メーカーのNEVシフトを推進する。同時に、ガソリン消費1ℓ当たりの平均走行距離を、2018年16kmのところを2020年に20km、2025年には25kmに引き上げることで、乗用車メーカーに省エネ化製品の投入を迫る。目標未達成分は「不足燃費クレジット」として計算される。

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