千葉県民の「関所」、錦糸町の変化は止まらない? 交通の利便性は抜群、地下鉄延伸計画もある

東洋経済オンライン / 2019年5月29日 7時10分

営団半蔵門線(2004年から東京メトロ半蔵門線)は2003年に水天宮前駅―押上駅が開業した。これまで弱かった南北の交通が強化され、さらに2006年の東武伊勢崎線(現・スカイツリーライン)と東京メトロ半蔵門線のダイヤ改正で相互直通列車が増加したことで、錦糸町の乗り換え拠点性が高まった。

実際に乗車人員はJRで前年比6.0%、東京メトロで前年比16.1%の増加となっている。また、半蔵門線開業前と2017年を比較するとJR錦糸町駅の乗車人員は約2万人(25%)の増加となっている。

こうした動きは錦糸町に対する注目度を上げている。今年3月には楽天地ビルのリニューアルで核テナントがリヴィンからパルコに変わった。

内覧会ではパルコの牧山浩三社長が「錦糸町エリアというのは、この10年くらいで大きく印象が変わった街だと捉えている。錦糸町のイメージをもっと変える起爆剤にわれわれはなれる、ということも含めてこのエリアを捉えた」と錦糸町エリアに出店するにあたっての抱負を錦糸町エリアへの期待も込めて述べた。

■交通アクセスは抜群によい

また、錦糸町パルコは非常に短い準備期間だったにもかかわらず、半年で出店したいというテナントがそろったという。そういう意味でも錦糸町は注目されている場所であることがわかると同時に、徐々にまちのイメージが変化しつつあることを示しているのではないだろうか。

確かに、錦糸町は場外馬券売り場や南口の繫華街の影響で治安が悪いイメージが強い。しかしながら、駅周辺には駅ビルのテルミナを含め5つの大型商業施設があり、買い物利便性が高い。そして東京・品川・新宿・渋谷・東京スカイツリーに電車1本でアクセスでき、いずれも30分とかからないばかりか、成田空港へも総武線1本でアクセス可能と移動利便性も高い。

さらに、パルコの開業に代表されるようなイメージ変化や、現在計画されている鉄道の延伸計画の実現による移動利便性の向上で、錦糸町がさらに注目される可能性は高い。

その鉄道延伸計画とは地下鉄8号線の延伸計画のことだ。

内容は東京メトロ有楽町線の豊洲駅から北上し、東京メトロ東西線の東陽町駅を経由して東京メトロ半蔵門線の住吉駅まで至る5.2kmを結び、朝ラッシュ時は最大毎時12本を運行するというものだ。

錦糸町がある墨田区の南隣にある江東区はこの地下鉄8号線延伸計画の推進を強く要望しており、また東京都も今年4月から東京メトロの協力を得て路線の構造や設備、運行計画など技術的な検討に乗り出した。早ければ10~20年後に開通する可能性がある。

■地下鉄延伸後は、豊洲まで16分

錦糸町にとってもこの計画が実現すれば利便性は大きく向上する。墨田区内の南北交通は東京メトロ半蔵門線の開通により便利になったが、錦糸町以南の江東区方面や臨海地区への南北交通は弱いのが現状だ。現在でも錦糸町から東陽町はバスで15分、錦糸町から豊洲は鉄道で2回乗り換えとなり24分かかる。

しかし、地下鉄8号線延伸が実現すれば1回乗り換えで東陽町まで約4~5分、豊洲まで16分で結ばれる。こうなると、大型商業施設が駅周辺に集積し、JR総武線経由で成田空港にもアクセス可能な錦糸町が「東京区部東側の拠点」となり、利便性・拠点性が高い場所として認知され、地位を向上させることは間違いない。

この15年でまちが大きく発展しており、今後もまちのイメージが大きく変化する可能性を秘めた「千葉県民の関所」・錦糸町。周辺のプロジェクトも併せて注目していきたいエリアだ。

鳴海 行人:まち探訪家

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