日本人がまだ知らない「30%クラブ」の本気度 機関投資家が注視する出世の「パイプライン」

東洋経済オンライン / 2019年6月10日 8時10分

――女性活躍が進まない理由として、多くの企業が「女性は昇進したがらない」と言いますが、まさにそれが起きたわけですね。どう対処しましたか。

ハイマス:説得しました。私が上司として彼女たちの能力や仕事の成果を認識しているからこそ、昇進を提示したわけです。5回のうち2回は説得に成功し、3回は失敗しました。

結果にとても驚いて、しばらく考えました。私たち男性は昇進の話を断るなんてありえません。私自身が今の職に就いているのも、昇進機会を逃さずキャリアアップしてきたからです。どうして、女性たちはキャリアアップの機会を断るのだろう、と不思議に思いました。

■昇進を受ける際の男女間のギャップからみえるもの

いろいろ調べているうちに、ある研究を知りました。仕事に関する定義(ジョブディスクリプション)を見たとき、男性は60%の自信があればその仕事を受けます。一方で、女性は100%の自信がなければ仕事を受けないというのです。統計データが示すこの男女ギャップから、男性は昇進を自然に受け入れ、女性は断るという事象を説明できると思いました。

――経営者として、この問題にどう向き合うべきとお考えでしょうか。やはり、男女の差があるのは自然だ、女性には女性に向いた仕事がある、と考える人も少なくありません。

ハイマス:そういうふうには考えませんでした。例えば、役員に女性が少ない理由として「女性は役員になりたがらない」と言われます。

でも、それは女性だけのせいではないのです。例えば、今ある役員会の文化が非常に男性的であることが問題だと思います。自分がそこに入ったら異質なのではないか、と女性が考えるのも無理はないと、男性の私ですら思います。男性ばかりの役員会は非常に競争的ですから。

もし、女性が役員会に一定数いたら、役員会の文化が変わるでしょう。そうすれば、後に続く女性たちが「こういう場なら、自分も能力を発揮できそうだ」と思うのではないでしょうか。

――これまで、日本企業で女性活躍が進みにくい理由として「女性自身が上に上がりたがらない」という正当化をよく耳にしてきました。女性個人より企業文化のほうを変えるべき、と考える経営者は珍しいと思います。そのように考えるに至った背景があるのでしょうか。

ハイマス:3つ理由があります。1つ目は家族のことで、妻はアメリカで教育を受けた後、日本で仕事を探すのに苦労しました。女性であることに加え、教育水準が高かったことが影響しているようでした。

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