日本人がまだ知らない「30%クラブ」の本気度 機関投資家が注視する出世の「パイプライン」

東洋経済オンライン / 2019年6月10日 8時10分

2つ目は、かつて働いていたある日本企業での経験です。人材採用において、数人の候補と面接をしました。私は、とても積極的なある女性が適任だと思ったのですが、日本人の面接官たちは「彼女は積極的すぎるから向かない」と言ったのです。男性であれば評価される特性が女性だとマイナスに見られてしまう。このような文化は、女性を必要以上に遠慮深くさせます。

3つ目は、私の上司たちです。私は弁護士としてキャリアを始めたのですが、振り返ってみると4~5割の上司が女性でした。CEOが女性だったこともあります。ですから、女性がリーダーシップを取ることを自然なことだと見なしていたのです。

――30%クラブの中でも重要な役割を果たす機関投資家の集まり「インベスター・グループ」のチェアとして、活動予定です。具体的には、何をするのでしょうか。

ハイマス:TOPIX100企業の取締役会における女性の割合を、2020年末までに最低でも10%に引き上げること、そして2030年までには30%に引き上げることを目指します。

具体的には、投資先企業のコーポレート・ガバナンスの問題に積極的に関与していきます。例えば投資先企業を訪問し、取締役会だけでなくあらゆるマネジメントレベルにおけるジェンダーダイバーシティの状況を把握して開示します。

役員に女性を増やすためには、候補となる上級管理職に女性を増やす必要があります。一般の従業員から管理職、上級管理職から役員へと上がっていくルートを「パイプライン」と呼びますが、私たち投資家は投資先企業のパイプラインが適切な状況になっているか関心を持ち、情報収集し、情報開示を行う予定です。

また、機関投資家が集まることで、投資先企業との対話のやり方について情報共有したり、よりよい方法を探ることもできると考えています。

■女性が活躍する素地ができつつある

――2015年に成立した女性活躍推進法は、雇用主に女性の活躍状況を把握し、都道府県の労働局を通じて情報開示することを求めています。インベスター・グループは、この法律を効果的に運用する役割を担っているようにみえます。

ハイマス:はい。30%クラブ日本の発足は、タイミングがとてもいいと思います。アベノミクスで女性活躍と経済成長の関連性が認識されてきたことに加え、コーポレート・ガバナンスの観点からも女性役員が求められるようになってきました。

私たちは機関投資家、政府、メディア、プロフェッショナルファーム(コンサルティングファーム、弁護士事務所など)、エグゼクティブサーチファーム、大学など、ダイバーシティの推進に関わる重要なステークホルダーが協力するプラットフォームです。すでにある法律を生かし、それぞれの得意分野を生かして変化を後押ししていく役割を担っています。

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