プリンスホテルがいま「会員制」に進出するワケ ユーザーとホテル、双方のメリットとは?

東洋経済オンライン / 2019年6月12日 7時10分

今年7月にオープンする会員制ホテル「プリンス バケーション クラブ ヴィラ軽井沢浅間」(写真:プリンスホテル)

西武グループのプリンスホテルは、今年7月に新たな会員制ホテル事業「プリンス バケーション クラブ」の施設を軽井沢、伊豆に相次いで開業させる。

一般に会員制ホテル事業と言えば、バブル経済の頃まで盛んに行われていた印象だが、なぜ今、この分野に新たに進出するのか。会員制ホテル事業に進出する背景や、今後の展開などについて、プリンスホテル取締役で事業戦略担当の荒原正明氏に話を聞くとともに、出店第1号となる軽井沢の施設を取材した。

■会員制ホテルの市場規模

まず、今回の会員制ホテル事業は、現在、プリンスホテルが進めるさまざまな新規事業の柱の1つという位置付けになる。プリンスホテルは2017年にオーストラリアを中心に世界25(2019年5月現在)のホテルを運営するStayWell社を子会社化し、海外ホテル事業を推し進めている。また、2020年夏には若年層を主なターゲットとする新ブランド「プリンス スマート イン」の1号店、2号店を恵比寿、熱海にそれぞれオープンする計画だ。

こうした新規事業を次々に進める背景には、2030年頃までに西武グループの営業収益を1兆円にするという「チャレンジターゲット(Challenge Target)」の達成に向け、ホテル・レジャー事業が「成長の原動力の役割を期待されている」(荒原氏)ということがある。

実際、2019年3月期の西武グループの決算報告を見ると、グループ全体の前年からの売り上げ増分353億円のうち、ホテル・レジャー事業が全体のおよそ4割に当たる149億円を稼いでいる。今後、より成長を加速させるために、新たなマーケットの開拓が求められているのだ。

ではなぜ、新たなマーケットとして会員制ホテル事業が選ばれたのだろうか。荒原氏はまず、会員制ホテルは西武グループの強みを生かせる事業であることを強調する。

「西武グループは、全国に豊富なアセット(土地・建物)を保有しており、新規事業とはいえ、いわゆる“仕込み”から始める必要がない。また、これまで培ってきた別荘開発やホテルのオペレーションのノウハウも生かすことができる。

これらを組み合わせれば、会員制ホテルで先行する他社とも、十分に競争できるのではないかというのが、事業を検討し始めたそもそものきっかけだ」と話す。

また、筆者はやや意外に感じるが、会員制ホテルの市場規模は、年々成長しているという。

「会員制ホテルのマーケットは、リーマンショック後、平均すると年率5.2%くらいずつ成長している。アクティブシニア層を含めた底堅い需要が見込める状態にあり、かつ年収1500万円以上の層の潜在的需要も確認できることから、今後も着実な成長が見込めるマーケットであると判断した」(荒原氏)

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