携帯2年縛りの違約金「上限1000円」の破壊力 キャリアの囲い込み戦略は完全に崩壊する

東洋経済オンライン / 2019年6月13日 7時0分

携帯電話の2年契約を途中解約した場合の違約金は、この秋にも大幅に下がりそうだ(記者撮影)

携帯キャリア各社のビジネスモデルの根幹である「2年縛り契約」にとうとうメスが入った。

総務省は6月11日、携帯電話の2年契約を途中解約した場合の違約金について、上限を1000円とする省令改正案を、有識者で構成する「モバイル市場の競争環境に関する研究会」(モバイル研究会)に示した。同時に端末値引きの上限を2万円とする案も出した。

NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクのキャリア3社の違約金はいずれも9500円で、利用者が乗り換えを検討する際のハードルになっている。これを大幅に引き下げさせることで競争を促し、携帯料金を安くすることが狙いだ。

■今秋から違約金は大幅値下げへ

昨秋から開かれてきたモバイル研究会は、14回目にして初めて非公開で行われた。会合後に総務省料金サービス課の担当者らが報道各社の取材に応じ、内容が明らかになった。施行は10月ごろからの見通しで、素案をたたき台にして、今後の会合で正式な金額や詳細なルールを詰めるという。

違約金上限1000円という金額は、総務省が5月に6000人を対象に行ったアンケート調査で、8割の人が許容できると回答した金額だという。ただ、モバイル研究会では、この結果をもって金額の根拠とすることに疑問の声が噴出したようだ。

利用者にヒアリングすれば、違約金は低い方がいいと答えるに決まっている。異例の民事介入をする以上、事業者側の通信収入や諸費用とのバランスも踏まえて、金額の合理的な根拠を示す必要がある。総務省料金サービス課の担当者は「アンケート結果以外にも1000円を提示した理由はいくつかある。今後、説明していきたい」と話す。

モバイル研究会のあるメンバーは「金額の是非はともかく、これだけ低い金額を示したのは、期間拘束での縛りをやめさせるという強い意思表示だと思っている」と省令改正案の方向性を評価する。モバイル研究会では「違約金自体を禁止にすればいい」という意見もあったという。

今後の議論次第で金額が見直される可能性はあるが、いずれにしても、違約金や端末の値引きの上限が大幅に引き下げられることは間違いなさそうだ。

■見直し必至、2年縛りのビジネスモデル

キャリア各社は違約金だけでなく、期間拘束のないプランの料金を月額1500円~2700円高く設定することで、利用者を囲い込みやすい2年契約に誘導している。総務省はこれに対して規制をかける方針で、差額の上限を170円とする案も示した。さらに、長期契約者を過度に優遇するようなポイントの付与も規制対象とする見通しだ。

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