時速360km、英国「HS2」の車両受注は誰の手に? 5者が応札、日立はボンバルディアと連合

東洋経済オンライン / 2019年6月15日 7時20分

日立とボンバルディアが公開したHS2向け車両のイメージ(画像:Hitachi Rail Europe)

イギリスで計画されている、最高時速360km仕様の高速鉄道新線用の車両納入に対する入札が6月5日に締め切られた。欧州メーカー4社とともに、新幹線車両の生産で実績を誇る日立もボンバルディアと組んで応札した。

この高速鉄道プロジェクトは「ハイスピード2(HS2)」と呼ばれ、まずはロンドンとイングランド中部のウエストミッドランズ州バーミンガム付近を結ぶ約360kmを第1フェーズとし、2026年の開業を目指す。

鉄道発祥の国・イギリスで蒸気機関車による鉄道の誕生からおよそ200年後に開業する本格的高速鉄道。メーカー各社が提案したのはどんな車両なのか。

■まさに「英国新幹線」

イギリスには現在、「ハイスピード1(HS1)」と呼ばれる高速鉄道がある。これはロンドンとドーバー海峡トンネル(ユーロトンネル)のイギリス側出入口とを結ぶ路線で、国際特急「ユーロスター」や日立製高速車両「クラス395」が走っている。だが、同線はユーロトンネルとの接続を主な目的としており、国の都市間移動を支える動脈とは言いにくい。

また、日立製の高速車両導入プロジェクト「都市間高速鉄道計画(IEP)」が「英国新幹線」として紹介されることもあるが、これは在来線を走る旧型車両の置き換えプロジェクトのことで、新たに高速鉄道の路線を建設する計画ではない。

一方、HS2は都市間を結ぶまったく新しい高速鉄道新線をゼロから建設しようという計画だ。したがって、HS2のほうが日本の「新幹線」の意味合いに近い。

HS2は最高時速360kmでの運転を計画しており、現在は在来線で約80分を要しているロンドン―バーミンガム間の所要時間は45分となる見込み。列車はHS2から在来線に直通するため、スコットランド方面への所要時間も短縮される。

バーミンガムまでの第1フェーズに続き、第2フェーズはバーミンガムからマンチェスター、リーズを結ぶY字型の路線を建設する計画で、こちらは2033年の完成を目指している。第1フェーズとの合計総工費は560億ポンド(約7兆7400億円)に達する。

■応札者の顔ぶれは?

欧州各国では高速鉄道網が発達し、フランスのTGV、ドイツのICEは主要都市をくまなく結んでいるほか、イタリアやスペインも高速新線が国内各地をつないでいる。しかし、前述のとおりイギリスにはこれまで本格的な長距離の都市間高速鉄道がなかった。

そんな背景もあり、これまで高速車両を製造し続けてきた各社にとってHS2の車両プロジェクトは「数少ない前途ある事業」として何としても落札したい案件となっている。

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