「経歴詐称」にだまされる日本人の致命的な不備 優秀な人材が実は「実績ゼロ」の可能性もある

東洋経済オンライン / 2019年6月17日 18時0分

経歴詐称に関する対策を徹底している海外企業と、それほど厳しくない日本企業の差は何でしょうか(写真:nonpii/PIXTA)

元ヤンキー。東京大学卒業後、イスタンブール大学へ。大学院に在籍し、これまで17社を起業――。しかしそれが、ある日突然、本人によって、すべて虚偽のものであるとカミングアウトされ、ネット上で大きな波紋を呼んだ。

渦中の彼は単に“嘘をついた”だけではなく、そのとんがった学歴や職歴などを利用し、ビジネスとしてセミナーや講演会を数多く行っていたり、企業に顧問として参画していたことから、一部では「詐欺ではないか」という声も上がっている。

こうした話は、今に始まったことではない。学歴だけでなく、業務実績や、自身の出生までも詐称し、キャスターやラジオパーソナリティーとして活動していた経営コンサルタントのケースや、海外の大学を卒業し、プロテニス選手として活動していたと経歴を偽っていた元政治家のケースなど、時々、著名人の経歴詐称に関するニュースが、世間をにぎわせることがある。

だが著名人に限らず、いわゆる一般人の間でも、経歴詐称は少なからず行われているのが現状だ。とくに海外では、公式には認定されていないが、大学卒業と偽り、実際に就学しなくても金銭で高等教育の学位(もちろん通用性はまったくない)を授与する機関や団体が多く、これらは「ディプロマミル(diploma mill)」と呼ばれ、問題視されている。

ディプロマミルだけではない。実在し、正式に認定されている大学の卒業証書を偽造、発行する「ディグリーミル(degree mill)」という闇ビジネスも横行している。これらはオンラインで簡単に申し込めるようになっていることもあり、ある意味、誰もが手軽に学歴詐称に手を伸ばしやすい状況にある。

■「経歴詐称」が横行する理由

もし企業が注意深くチェックを行っていたとしても、求職者の学歴・職歴詐称は後を絶たない。それは学歴や職歴が高いことで、待遇のいい企業に好条件で転職できる可能性が高まるからだという背景がある。少しでも、自分の希望するポジションで高いサラリーをもらうために、可能な限り自分をよく見せる中で、ついつい学歴や職歴を“盛ってしまう”ことが、経歴詐称につながっている。

例えば、ある大学や大学院に所属していたものの、その学業を(中退等の形で)修了していないのに、修了と偽っているようなケースだ。

もちろん企業も、こういった経歴詐称への対策はつねに行っている。外資系企業に中途で転職した方の多くは「リファレンスチェック」を受けた経験があるだろう。日本企業でも、とくに役員等、幹部を採用する際に行う企業が、最近増えてきている。これは企業が、中途採用を行う際に、その応募者の経歴や実績、在籍期間、あるいは人柄などを、第三者(多くは当時の上司や同僚)の視点から確認する方法だ。

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