サブスク急拡大の理由は「ユーザー有利」にあり リカーリングマップで俯瞰するサブスク支持

東洋経済オンライン / 2019年6月17日 8時30分

圧倒的に「ユーザー有利」なサブスクリプション。どれほど有利なのか、さまざまな視点から比較します(写真: Sitthiphong/iStock)

サブスクリプションへの関心が急激に高まっている。あらゆる業界がサブスクリプションに乗り出し、バブルといってよいほどの様相を呈している。

しかし、残念ながら、言葉だけが独り歩きしている。月額定額制の導入だけでビジネスが生まれ変わり、高収益体質になると思っている事例が多くあり、これから淘汰が進んでいくであろう。

今回は、ビジネスモデルとマネタイズの観点から、サブスクリプションをはじめとする継続収益(リカーリング)モデルを初めて体系化し、『「つながり」の創りかた――新時代の収益化戦略リカーリングモデル』としてまとめ上げた兵庫県立大学教授の川上昌直氏が、サブスクリプションと混同されがちな他の収益化モデルとの違いについて論じる。

■サブスクリプションを視覚的に理解する

定額制のサブスクリプションが「企業有利」ではなく、圧倒的に「ユーザー有利」な収益化モデルだというのは、前回に述べたとおりです。

いったい、どれほどユーザー有利なのか? 

それが視覚的に一目でわかるのが、リカーリングマップです。

「リカーリング」という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、サブスクリプションは、リカーリングモデルという収益化モデルの1つです。

今回は、各種リカーリングモデルを整理して体系化したリカーリングマップをもとに、他のビジネスモデルと比べながら、サブスクリプションがいかにユーザー有利なのかを、お伝えしたいと思います。

リカーリングとは、リカーリングレベニュー(recurring revenue)の略で、「収益が繰り返す」という意味です。アップルミュージックやネットフリックスをはじめとする定額制のサブスクリプションは、解約されない限り毎月の支払いが発生する「収益が繰り返す」モデルです。リカーリングマップの中にある、ほかの収益化モデルも、すべて「収益が繰り返す」という共通点があります。

リカーリングマップは、縦軸はユーザーに対する「継続の拘束力」の大小を、横軸は企業が利益を回収しきるまでの「利益回収の時間」の長短を示しており、その中に、リピーター、レーザーブレイド、リース、フリーミアム、そしてサブスクリプションが分布しています。

まず注目してほしいのは、斜め上に伸びる線上に分布する、リピーター、レーザーブレイド、リースです。これらはリカーリングという言葉のなかった時代から存在する収益化モデルなので、便宜上、「旧来型のリカーリング」と呼びます。長きにわたり存在し続ける理由は、企業にとっての利益とユーザーの利便性のバランスが取れたところにあるからです。このリカーリングバランスの線上より上にあると「企業有利」に、下にあると「ユーザー有利」の収益化モデルといえます。

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