「孫子の兵法」を仕事で応用する超基本ポイント 今さら聞けない基本知識を徹底的に解説

東洋経済オンライン / 2019年6月20日 8時40分

多くのビジネス成功者のバイブルでもある『孫子』。ビジネスでどう活かせばよいのか紹介していきます(写真:IYO/PIXTA)

『孫子の兵法』――。ビジネスパースンにとって、必須の教養であり、戦略としての実践の書といわれています。ところが、このような名著も、有名すぎるがゆえに精読を後回しにしてしまうという人が多いのではないでしょうか。

武田信玄、ナポレオン、孫正義、ビル・ゲイツが自らのマネジメントにフル活用という事実を知っていても、なんとなく見逃してしまってはいませんか。とはいえ、原書を読むのもしんどい、現代の事例にどう応用すればよいかわからない、などの声をよく耳にします。

名著のすばらしさを原本にあたることなく、深く腹に落ちる内容に仕上げた『もし孫子が現代のビジネスマンだったら』を一部抜粋のうえお届けします。本稿では孫子の思想の大意を紹介した後、ビジネスでどう活かせるか紹介します。(敬称略)

■そもそも『孫子』とは何なのか

『孫子』が書かれたのはおよそ2500年前。当時、中国は戦乱に明け暮れ、そのなかから数多くの兵法書や思想書が生まれました。従来の兵法は、「武運によって勝敗は決する」という思想が強かったのです。しかし『孫子』は、「人為によって勝敗が決する」と断言。勝利への道筋を見事に理論立てています。

ただ、いたずらに戦争を起こすのではなく、とてつもない被害をもたらす戦争はできるだけ避けて、自らの利益だけでなく相手方の利益を最大限に高めること、平和を求めるのが『孫子』の神髄です。

数多くの戦いのなかから得られた戦略・戦術だけでなく、徹底的に人間そのものを研究、分析し尽くしており、そのため、戦場における人間心理が現代のビジネスや政治といった諸場面にも当てはまるのです。

『孫子』は全13篇から成り立っています。最初の3篇「計篇」「作戦篇」「謀攻篇」は、戦う前の準備や心構えについての説明です。次の「形篇」「勢篇」「虚実篇」は、勝利に向けての態勢づくり。あとの7篇は、より実戦的な戦場における軍の動かし方などについて提示しています。

すべて自国・自軍を勝利に導くためのノウハウを説いていますが、その前提として、「戦争はできるだけ起こさない、それに越したことはない」と言っています。

『孫子』が最も言いたかったこと。それは次のフレーズに凝縮されています。

「戦わずして勝つ」

ほかの兵法書が単純に目先の戦いに勝つことを目標とする「戦術」に重きを置いているのに対し、『孫子』は、国家の運営という大所高所から戦争という外交の一手段を俯瞰しているのです。そのキーポイントは「情報」です。そういう意味では、現代のビジネスの現場に大変通底するところがあります。

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