ホルムズ海峡攻撃で挙がった「真犯人」の名前 「オバマを超えた」と言いたいトランプの意地

東洋経済オンライン / 2019年6月20日 7時0分

ホルムズ海峡で攻撃され、煙をあげるタンカー(写真:ISNA/AP/アフロ)

背後で誰が動いているのか――。

2019年6月13日、イランを訪問中の安倍晋三首相は、最高指導者ハメネイ師と会談。安倍首相は緊張するアメリカとイランの関係改善の“仲介者”を自負していたが、ハメネイ師からはイランの従来の主張を超えた言質を引き出せなかった。そしてまさに同日。中東のホルムズ海峡付近を航行する日本のタンカーが、何者かに攻撃されて船体が損傷したうえ、フィリピン人船員1人が負傷した。同じ頃、ノルウェーの船舶も攻撃され、被弾した。

ホルムズ海峡を通過する船舶を通じて、日本は原油輸入の80%、液化天然ガス(LNG)の20%を依存している。それだけに安倍外交の「失敗」とともに、エネルギーの供給不安が広がっている。

この事件について、タンカーを運航している日本の国華産業は記者会見を開催、「タンカーを攻撃したのは飛来物。船員が目撃している。機雷ではない」と説明した。飛来物とは砲弾かミサイルを指している。

一方、アメリカのポンペオ国務長官は会見で、「タンカー攻撃はイランの責任。イランは日本を侮辱した」と言い切った。これに対し、イランは攻撃を否定している。

■有効射程距離を考えれば地対艦ミサイル

この事件は全容がまだ解明されていない。不明な点が多い。焦点は、誰が、どのような動機で、どのような手段で攻撃を行ったか、だ。ここが解明の手がかりになる。

まず、手段から。

攻撃手段として、機雷、砲弾、ミサイルが挙げられた。このうち機雷説は消えた。タンカーの損傷の具合が機雷によるものではないことは映像から明らかだ。国華産業も機雷説を否定する。

砲弾か。大砲の命中可能な有効射程距離は短い。口径の大きい主砲を積んだ戦艦同士の砲撃戦でさえ、命中可能な有効距離は10~20kmのレンジだろう。陸軍で使用される大口径の大砲でも、有効射程距離は10km以内。したがって、イラン沖50kmの距離にあるホルムズ海峡を航行する日本のタンカーに、2発も命中弾を浴びせられるとは考えにくい。

消去法で残るのは、GPSとレーダーで精密に管制された、地対艦ミサイルである。ゲリラやイスラム過激派など、小規模組織では困難だ。正規軍か正規軍に準じた存在だろう。アメリカは偵察衛星で、ミサイルがイラン側か、対岸のオマーン側のどちらから発射されたかについて、把握しているはず。これで明白になるが、軍事機密なので公開されまい。

ならば犯人は誰か。

ミサイルだと仮定すれば、3者しかない。まず、容疑者として真っ先に浮上したのは、イラン軍か革命防衛隊だ。アメリカやイギリスの情報筋は、イラン犯人説だ。アメリカ以外で、イラン犯人説を唱えたイギリスに対し、イラン政府は外交ルートで抗議した。

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