原油価格が思ったよりも意外に上昇しないワケ ホルムズ海峡周辺タンカー攻撃の「謎」

東洋経済オンライン / 2019年6月20日 8時10分

原油価格は「ホルムズ海峡付近のタンカー攻撃」の後も今のところ落ち着いている(写真:ISNA/AP/アフロ)

原油価格が一時大幅に上昇したが、その後は落ち着いた値動きになっている。これはなぜだろうか。

■「イランの仕業」と決めつける米英

13日に、中東の原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡近くのオマーン湾で、タンカー2隻が攻撃を受けたとの報道で、原油価格の指標であるWTI原油先物価格は一時1バレル=53.45ドルまで上昇、前日終値比で4.5%急伸する場面があった。

今回の事件について、アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は、「イランに責任がある」とし、「アメリカの軍隊や権益を守るとともに、世界の貿易や地域の安定を守る同盟国を支持する」として、イランに警告した。

攻撃の一報が流れたのは、安倍晋三首相とイランの最高指導者アリー・ハメネイ師の会談中だった。ハメネイ師は会談後、アメリカと対話することを完全に否定、「イラン・イスラム共和国はアメリカをまったく信用していない」とした。

また、イランのモハンマド・ジャヴァド・ザリフ外相は、安倍・ハメネイ会談とタイミングが重なった攻撃であり、「重大な不審点がある」としている。しかし、アメリカは「精鋭部隊のイラン革命防衛隊が実行した」と重ねて主張し、攻撃を受けたタンカーから不発の機雷を除去したという様子を撮影したアメリカ軍の映像を証拠に挙げている。

また、イギリス政府もこれに同調し、「イラン革命防衛隊の一派が2隻を攻撃したことはほぼ間違いない」と発表。5月にアラブ首長国連邦(UAE)沖でタンカー4隻が攻撃された件についても、米英は「イランに責任があると確信している」としている。米英が足並みをそろえて関与を指摘したことで、イランと国際社会の対立がさらに強まる可能性がある。

だが国連安全保障理事会のエステバン・グティエレス事務総長は、「事実を確定し、責任をはっきりさせなければならない」とし、「事件の検証は独立した団体でなければ不可能だ」としている。また、アメリカが公開した石油タンカーの攻撃にイランが関わったとする映像については「見ていない」とし、アメリカ政府の説明も受けていないとしている。

一方、アメリカのパトリック・シャナハン国防長官代行は「機密を解除して情報をできる限り公開していく」とし、攻撃に使われた爆弾の種類や製造元の情報を挙げている。また、アメリカ軍は精鋭部隊のイラン革命防衛隊が攻撃後にタンカーに近づき、不発の機雷を除去したとする映像を公開した。

さらに、14日にはアメリカ軍当局者が攻撃を受けたタンカー周辺を飛行していたアメリカの無人偵察機に対し、イランが地対空ミサイルを発射し、情報収集の妨害を行ったとしている。

■米英 vs イラン・中国・ロシアの構図に?

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