「ほっともっと」赤字転落の先に迎える正念場 商品戦略が迷走、女性客取り込み策も不発に

東洋経済オンライン / 2019年6月20日 18時0分

ほっともっとを運営するプレナスは2019年2月期についに営業赤字に転落した(記者撮影)

持ち帰り弁当チェーン「ほっともっと」が苦境に立たされている。

国内店舗数2739店(2019年5月時点)を展開する業界大手だが、店舗出店ペースが鈍化しているうえ、既存店売り上げも冴えない状態が続いている。

■2019年2月期は営業赤字に転落

ほっともっとを運営するプレナスの2019年2月期決算は、売上高が1539億円、前期と比べて5.6%伸びた一方、営業利益は5億円の赤字に転落した(前期は49億円の黒字)。約25億円の店舗の減損損失を計上したことにより、最終損失は29億円の大赤字(前期は23億円の黒字)となった。

業績の足を引っ張ったのは、主力事業のほっともっと事業だ。同事業の売上高は1100億円(前期比4.2%増)、営業損失8.6億円(前期は39億円の黒字)と水面下に沈んだ。

コンビニなどの小売業界や外食業界は現在、アルバイトなどの人手不足を受け、人件費の増加に苦しんでいる。ほっともっとも例外ではないが、赤字に落ち込んだ原因はそれだけではない。業績回復を狙って主力商品を値下げしたり、広告宣伝費を積極的に投じたにもかかわらず、既存店が想定ほど伸びなかったのだ。

40代以上の男性客を中心とするほっともっとは、2018年6月まで既存店売上高の前年割れが続いていた。この状況を打開しようと、2018年5月に定番メニューである「のり弁」の価格を300円(税込み)へと約30~50円値下げ(改定前の価格は地域によって異なる)。2019年2月期は広告宣伝費に30億円を投じ(前期比6.6億円増)、テレビCMなどの宣伝活動を強化した。

ほっともっとの2019年2月期通期での既存店売上高は前期比1.6%増と上向いたものの、当初計画していた同7.7%には届かなかった。投下した費用を埋め合わせるほど、増収効果が出なかったわけだ。

■商品戦略が迷走し、他業態に対抗できず

売り上げを思うように伸ばせなかった背景には、コンビニや食品スーパーといった他業態との競争激化がある。

高齢化の進展や働く女性の増加、専業主婦が料理にかける時間を削減する流れが続いており、総菜や弁当などの「中食」需要が増加。「今後もいっそう高齢化が進み、中食の利用が増える」(日本惣菜協会の清水誠三常務理事)。これを商機ととらえ、コンビニや食品スーパーは総菜や弁当の品質を大きく向上させてきた。ここ数年は、ドラッグストアまでもが弁当などの食品展開を積極化している。

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