チケット不正転売が厳しく禁じられた真の意味 自由経済活動でもあり創意工夫も必要だ

東洋経済オンライン / 2019年6月25日 18時0分

法規制を強化すれば万事OKというワケでもない(写真:GlaserStudios/iStock)

6月14日、チケットの高額転売を規制する法律「チケット不正転売禁止法」が施行された。続いて20日には、東京オリンピックのチケット購入に関する抽選結果が発表され、当選の喜びの声と落選したことによる失望の声の双方が、インターネット上で大いに話題になった。まさに世紀の一大イベントとチケット販売開始に間に合うかたちで法律が施行されたというわけだ。

チケット不正転売禁止法では、「特定興行入場券」について、業として、興行主やその委託を受けた販売業者の事前の同意を得ないで、販売価格を超える金額で有償譲渡する行為(不正転売)、また、不正転売を目的として譲り受ける行為(不正仕入)をそれぞれ禁止しており、これらの行為を行った場合、1年以下または100万円以下の罰金となる。

犯罪成立のために、迷惑防止条例のように「公共の場所」で行われる必要はないから、インターネット上での転売も対象となる。また、不正仕入も対象となるため、転売に至らなくても、不正転売を目的として仕入れた時点で検挙することもできる。さらには、チケット転売サイトも不正転売チケットを取り扱っていれば、幇助犯として検挙することが可能だ。

なお、本法で対象としているのは、映画、演劇、音楽などの芸術・芸能やスポーツなどの興行の入場券のみである。したがって、電車などの乗車券、指定券や整理券、サイン会や握手会の参加券は含まれない。

■チケット不正転売禁止法が立法された背景

かつてのダフ屋行為は主に屋外、とくにイベント会場付近で行われていた。したがって、これらの行為は公共の治安に害をなすものとして、各都道府県の迷惑防止条例で取り締まっていた。「公共の場所」や「公共の乗り物」において、チケットを買ったり売ったりするような行為が対象となっていたのである。

しかし、インターネットの発達により、今では実際に対面で取引を行わなくてもチケットを転売することが可能となり、これによって取引量は爆発的に増加した。

もっとも、急用などにより行けなくなってしまったイベントのチケットを、求める人に譲渡すること自体は社会的有用性のある行為である。問題は、チケットを確保する手法にある。

大量のメールアドレスを自動作成し、会員登録。自動的にデータを入力するbotと呼ばれるプログラムを用いて、1秒間に数百回もアクセスして予約する手法や、専用アプリを用いて予約窓口に断続的にかけ続け、一般利用者からの架電をブロックする手法などを用いて、チケットを買い占めたうえで値段を釣り上げて暴利を獲得するようなやり口が横行した。

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