離婚破綻を防げない「貧相な養育費支給」の実態 児童扶養手当も養育費も簡単にはもらえない

東洋経済オンライン / 2019年6月26日 7時50分

離婚後の生活に困窮するシングルマザーは少なくない。公的な支援制度や養育費の支払いの実態はどうなっているのか?(写真:プラナ/PIXTA)

先日、飲み屋の半個室で友人と会食をしていたときのことです。隣の半個室から平成生まれの未婚者らしき女性たちの話が耳に入ってきました。

「私は結婚後、うまくいかなかったら離婚してシングルマザーになってもいいの。だって、男から毎月お金もらえるなら楽じゃん」

「そうねー、シングルマザーは国からもお金もらえるからね」

こうやって勘違いをして安易に離婚してしまう若い女性もいるのでしょう。実際、私のところへ離婚の相談にいらっしゃる方の中にも、同じようなことを言う人がいます。

その場合、私はファイナンシャルプランナーですから、離婚後の現実的な経済状況を「見える化」するライフプランを作成しますが、そうすると8割前後は離婚を考え直します。なぜなら、「離婚破綻」の可能性を目の前につきつけられることになるからです。

■「児童扶養手当」に立ちはだかる所得制限の壁

仮に子どもを引き取って離婚すると、その後のシングルマザーの生活は大変です。頼みの綱は「ひとり親制度」とも呼ばれる「児童扶養手当」。離婚や死別などの理由で、1人で子どもを育てるひとり親家庭を支援する制度です。原則として、生計を一にする子どもを持つ父・母または養育者が対象で、子どもが18歳の3月31日まで支給されます。

しかし、支給には所得制限があるうえ、支給額は物価の高い首都圏で暮らすひとり親家庭にとっては十分とはいえません。2018年8月に所得の算定方法が変更となり、所得の限度額が引き上げられましたが、まだまだ制限に引っかかる家庭も少なくありません。

要するに、児童扶養手当は、対象者が全員全額を受け取れるわけではなく、仮に全額を受け取ることができても、それだけで暮らしを支えられるわけでもないのです。

児童扶養手当の内容について、具体的に見ていきましょう。児童扶養手当は、手当の全額を支給する「全部支給」と一部のみを支給する「一部支給」があり、「扶養する子どもの数」と「前年の所得(収入)」に応じて支給額が決まります。

では、「全部支給」の対象となる所得(収入)の限度額はいくらでしょうか。表をごらんください。

扶養する子どもの数:所得(収入)
1人 87万円(160万円)
2人 125万円(215万7000円)
3人 163万円(270万円)
4人 201万円(324万3000円)
5人 239万円(376万3000円)

ちなみに、扶養する子どもが2人で「一部支給」の対象となる所得の限度額は268万円となっています。会社勤めで毎月給与を受けとっているという人は、全部支給でも一部支給でも、限度額をオーバーしてしまうケースが多いのではないでしょうか。

■「全部支給」の対象になっても月額4万円程度

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